【赤ペン! 赤坂英一】首位戦線で苦闘するDeNA、本当に25年ぶりに優勝できるのか。重要な鍵となるのが「捕手3人制」だ。これは、谷繁が正捕手として君臨した1998年とは大きく異なるポイントでもある。

 三浦監督は就任した2021年に正捕手を固定しない方針を表明。戸柱は今永、山本は東、伊藤はバウアーと、投手によって組む捕手を代えている。その意図を改めて三浦監督に聞いてみた。

「これは三者三様というか、誰が試合に出ても見劣りしないぐらいの力を持っているし、それぞれいいリードをしていますから。相川(ヘッド兼)バッテリーコーチと話をしながら、投手との相性も考えて、誰を使うかを決めています。1年間戦う(捕手の)体力を考えても、このほうがいい」

 この起用法で大きく星を伸ばしたのが、山本と組む東だ。昨季までの3年間はヒジの手術もあって計6勝だったが、今季はすでに8勝をマーク。その東はこの好成績を「(山本)祐大のおかげ」と言ってはばからない。

「祐大とは去年は組んでいなかったですけど、今年組むようになったら言いたいことを言ってくるんです。どんどん勝負していこう、後手後手にならないようにと。しっかりコミュニケーションが取れていて、祐大のリードと僕の直感が合っている。それでスンナリとサインの交換が決まっています」

 各バッテリーの間では競争心も生まれている。助っ人ながらそれをいち早く理解したのが、伊藤光と組むバウアー。6月23日からの阪神3連戦に3連勝した際には、「今永と戸柱、東と山本が勝ったので、僕と光も負けられなかった」とコメントしていた。

 もっとも、三浦監督は各バッテリーを組み直す可能性も示唆している。

「打ち込まれたり、結果が出ないようなら、また違う組み合わせもできるんでね。いろいろなパターンを持ちながら戦えているのは大きいと思う」

 実際、石田が9試合勝ち星から遠ざかると、7月13日の阪神戦で今季初めて捕手を戸柱から山本に変更。5回無失点で3勝目を挙げさせた。

 98年の優勝と日本一に貢献した谷繁はひとりでマスクをかぶることにこだわった。若手時代は抑えの“大魔神”佐々木の出番になると、先輩の秋元に代えられる。それが悔しくてならず、キャンプ中のブルペンでは佐々木のそばでフォークを捕る練習を重ねていた。

 優勝の瞬間、その谷繁が佐々木と抱き合った姿は球史に残る名場面。今年、谷繁に代わって歓喜する捕手は誰だろう。