【赤ペン! 赤坂英一】社会人日本一を決める大会、都市対抗野球(14~25日東京ドーム)で、メジャーリーグ流の試合時間短縮ルール「ピッチクロック」が導入された。走者がいない場合には12秒(メジャー15秒)、いる場合には20秒以内に投球しなければ、投手にボールが宣告される。一、三塁側ベンチの横、およびバックネット両端の4か所にクロックボードを設置。選手たちは残り秒数のデジタル表示を見ながらプレーしている。

 プロアマ含めた球界全体でも初の試み、当事者の選手や監督はどのように感じているのか。バイタルネット・佐藤英司監督はこう言った。

「ピッチクロックは今大会だけでなく、春先のJABA大会から導入されています。そのころからブルペンでも投球間隔を意識して練習をしているので、そんなに影響は感じませんね」

 一方、ENEOS・関根智輝投手はこんな感想。

「走者なしなら違和感は感じません。ただ走者が出ると、間を取りたいとき、ちょっと時間が足りないかな、と思う」

 実際、西濃運輸―ホンダ熊本戦では、西濃バッテリーが20秒を超過し、1ボールを宣告された。

 そうした中、「ピッチクロックは優れた施策です」と指摘するのが、ホンダの木村龍治投手コーチ。プロでは巨人の中継ぎ投手とコーチとして実績を残し、昨年はロッテでも投手コーチを務めた指導者である。

「ウチは1月からピッチクロックを意識した練習をしてます。これはテンポのいい投球、ストライク率の向上につながる。試合は12秒ですが、ブルペンは7~8秒の間隔で投げればいい。そうしてどんどんストライクが取れるようになったら、試合の12秒にも余裕で対応できる」

 ピッチクロックに対応するには、そのための所作を身につけることも必要になってくる。

「例えば、捕手から返球を受けるとき、前に出て捕ったら、そこから投球間隔を計られてしまう。だから、返球は必ずプレートの上で捕ったほうがいい。ふだんの練習でそういう所作を覚えるだけでも、試合でのストレスが軽減されます」

 このように、「ピッチクロックを意識した練習は投球とコントロールの向上に役立つ」と、木村コーチは強調する。

 折しも、プロではNPB12球団オーナー会議が「ピッチクロック導入を検討する」と表明したばかりだ。元プロの木村コーチの提言は一聴に値する、と感じるのは私だけではあるまい。