〝一抹の不安〟とは――。29日、全日本柔道連盟はオンラインで強化委員会を開き、2024年パリ五輪の早期内定選手を発表。東京五輪男子66キロ級金メダルの阿部一二三(25)、同女子52キロ級金メダルの阿部詩(22=ともにパーク24)ら4選手が代表に選ばれた。

 ケガや疲労のリスクを減らし、本番に向けて十分な時間を確保することが早期内定制度の狙い。史上最多の金メダル9個を含む12個のメダルを獲得した東京五輪に続く躍進が期待される中、特に注目を集めるのは〝きょうだい連覇〟を狙う一二三と詩だ。

 5月の世界選手権では、ともに圧巻の戦いで2連覇を達成。パリ五輪でも本命の呼び声が高い一方で、絶対王者がゆえの懸念材料もある。全柔連の強化関係者は「勝ち続けることも逆に怖くて、他の選手に負けてしまったら、海外勢は『自分もいける!』と思う。雪崩のようにガクンとなる可能性もないとは言えない」と指摘。ここまでの道のりが順調だからこそ「出る試合とかも慎重に選んでいかないといけない。本人たちもわかっているとは思うけど、一発の敗戦に気をつけないと。パリまでは1年くらいしかないからね」と細心の注意を求めた。

 ただ、最強きょうだいの辞書に「敗北」の2文字はないようだ。世界選手権後の帰国時には、一二三が「そこ(2連覇)だけを見て、研ぎ澄ましていく」と言えば、詩も「世界選手権は通過点。まだまだモチベーションを上げていきたい」と力強く宣言。世界の頂点へ駆け上がるのみだ。