〝最強兄妹〟の強みは――。柔道の世界選手権(カタール・ドーハ)で、ともに2年連続4度目の優勝を果たした男子66キロ級の阿部一二三(25)と女子52キロ級の阿部詩(22=ともにパーク24)が、10日に帰国。来年に迫ったパリ五輪での2連覇達成へ「そこだけを見て、研ぎ澄ましていく」(一二三)、「世界選手権は通過点。まだまだモチベーションを上げていきたい」(詩)ときょうだいで気合を入れ直した。
一二三は決勝のライバル・丸山城志郎(ミキハウス)戦こそ激闘となったが、危なげなく優勝。詩にいたっては5試合オール一本勝ちVで、海外勢を寄せつけなかった。とはいえ「五輪には魔物が潜む」とされるだけに、〝最強兄妹〟に死角はないのか。
「ないね」と言い切るのは、世界選手権4度優勝でバルセロナ五輪95キロ超級銀メダルの〝元暴走王〟小川直也氏だ。詩については「あの階級では頭五つ抜けている。安定していて、危なげない柔道。普通に調整していけば間違いないよ」と言い、一二三も「丸山以外とは頭四つ差がある。妹との差はたま~にポカがあるからだけど、外国人選手には圧倒的だからね」と早々と太鼓判を押した。
2人が対海外勢に圧倒的に勝ち星を重ねているのには、理由があるという。「外国人選手が阿部きょうだいと試合するのに、嫌気が差している感じ。やっぱり2人とも勝ち方にインパクトあるから、外国人には精神的に負担になるんだよ。対策どうこう言う前に『こいつらには勝てない』って思わせてるんだ。実力もそうだけど、実績でも抜けているからさ。阿部きょうだいって、外国人選手はやる気がうせる強さなんだよな」
小川氏自身がバルセロナ五輪で金メダルを確実視されながら、決勝でまさかの一本負け。「五輪の魔物」に食われた経験があるだけに、説得力はある。〝最強兄妹〟には一分の隙もないようだ。












