阪神は4日のロッテ戦(甲子園)に2―0で勝利し、交流戦初のカード勝ち越しを決める2連勝。先発の才木浩人が9回を3安打1四球12奪三振の内容でマリン打線を完封し、今季4勝目を挙げた。

 相手先発は日本球界を代表するビッグプロスペクト・佐々木朗希投手。岡田彰布監督(65)の真骨頂である〝普通の野球〟で打ち崩した。ゲーム前ミーティングで野手陣に徹底したのは「低めのボールを振らずに四球を選ぶこと」。指揮官は試合後「きょうだけは『見逃し三振OK』って俺が言うたわ」と振り返る。佐々木朗は今季も100球前後で2番手と交代。球数を稼がせ、令和の怪物を早めに〝退場〟させることも視野に入れての戦略だった――。

 虎打線は最速163キロをマークした佐々木朗の球威に手を焼き、5回まで無安打9三振無得点と沈黙。だが6回の攻撃を前に今岡打撃コーチを中心に野手陣が今季初めて円陣を組み、改めて低めの球の見極めと四球への意識を再確認。ここからゲームは一気に動き始めた

 先頭・中野がフルカウントまで粘り四球をもぎ取ると、二盗と佐々木朗の暴投にもつけこみ一死三塁。たまらずロッテ内野陣が前進守備を敷くと、得点圏打率3割超と勝負強さを格段に増した4番・大山が一、二塁間を割る右前適時打。チーム全体としてもこの日初となる安打で、1点を先制することに成功した。

 102球を投げた佐々木朗はこの回限りで降板。7回からは2番手として八木がマウンドに上がったが、出はなをくじくように、この回の先頭打者・梅野が左翼席への今季1号ソロをマークし2―0とリードを拡大。才木の力投もあり、このままのスコアでゲームセットを迎えた。

 対戦前は「(佐々木朗は)頭抜けるとるよ。マメでもでけへんかなあ」と冗談めかしてボヤいていた指揮官だが、自らの思い描いた棋譜の通りゲームは展開した。試合時間は2時間26分。「本当の投手戦だった。監督賞は? そら才木にやらんと怒られるやろ」と笑顔。奇策も魔術も必要ない。9つのイニングと27のアウトを使って相手を〝詰ませる〟詰め将棋のような勝利を「普通やろ」と冷静に分析した。