永田町が“粛清”の嵐に見舞われている。衆院懲罰委員会が31日に開かれ、れいわ新選組の櫛渕万里衆院議員に対し、登院停止10日間の懲罰案を可決した。1日の本会議で正式決定する。このほかにも岸田文雄首相は息子で首相秘書官の翔太郎氏を事実上更迭。維新では東西で党員資格停止、除名検討…と異例の処分ラッシュが巻き起こっている背景は――。
櫛渕氏は5月18日の本会議で鈴木俊一財務大臣に対する不信任決議案の採決時に壇上で「与党も野党も茶番」と書かれた紙を掲げた。れいわは12日の本会議でも大石晃子衆院議員が壇上で「もっと本気で闘う野党の復活を」と記した紙を掲げ、山口俊一議院運営委員長から厳重注意を受けたばかりで、与野党から懲罰動議が出た。
3月には当時参院議員だったガーシー(東谷義和)が登院しないことで除名処分となった。これは衆参通じて72年ぶり3人目。櫛渕氏への懲罰が決定すれば、衆院では2007年に自民党の委員長を羽交い締めした民主党の内山晃議員(当時)が30日間の登院停止となって以来、16年ぶり。れいわの山本太郎代表は「プラカードを掲げただけでここまで重いものはない」と懲罰案に不服を訴えた。
党内処分では日本維新の会も混乱している。入管施設で亡くなったウィシュマ・サンダマリさんの死因を「ハンガーストライキかもしれない」と繰り返し発言した梅村みずほ参院議員に6か月の党員資格停止処分が下された。
大阪維新の会の笹川理府議は過去のパワハラが蒸し返され、府議団団長を辞任していたが、収まらずに離党届を提出。党側は厳重注意処分で処理していたが、「初動に不適切なところがあった」(大阪維新の吉村洋文代表)と離党を認めずに除名を検討している。
処分が後手に回ったのは岸田首相も同様だ。翔太郎氏が昨年12月に首相公邸で開いた忘年会でのバカ騒ぎ写真が週刊誌に流出し、公私混同と批判を浴びるも厳重注意にとどめたことで炎上。結局、翔太郎氏は辞任に追い込まれた。
永田町関係者は「これだけの処分が1か月の間に出たのは過去にありません。しかも一度は軽い処分で済ませようとしたが、世論の反感を買って、重くしているのだから情けない。党の管理体制や議員のレベルも低いが、それもこれも解散総選挙かもしれないとみな浮足立っているからです」と指摘する。
櫛渕氏の懲罰では「れいわのパフォーマンスを許すな」と自民、公明、維新が除名に次ぐ重い登院停止で断固たる態度を示した。ただ、れいわ側も黙っていない。大石氏が与野党の横暴を批判すれば、櫛渕氏は弁明の場で持論を展開している。2人は比例復活組で次の衆院選での再選は容易ではないが、逆に格好のアピールタイムにしているのだ。
維新もネガティブ要素の排除に躍起だ。立民の支持率を上回り、野党第1党をうかがえる情勢で、「失点回避のために厳しい処分に走っている」(野党関係者)。
岸田首相はG7広島サミットの成功で解散総選挙に色気を見せていたはずだが、翔太郎氏の問題で逆風にさらされた。「泣く泣く息子の更迭に踏み切ったのもまだ解散のチャンスをうかがっている証拠。7月選挙を確信し、動いている事務所も多い」(前出の永田町関係者)
通常国会が会期末を迎える今月はさらにバタつくことになりそうだ。














