今や岡田阪神の象徴となりつつある。開幕直後の4月8日から「8番・遊撃」に定着し、攻守で首位快走に貢献している木浪聖也内野手(28)のことだ。24日のヤクルト戦(神宮)では今季9度目のマルチ安打となる2安打1打点で6―5の逆転勝ちに貢献し「チャンスメークできたことも含め、勝利に貢献できてうれしい。いい感じでバットが出せている」と充実感を漂わせた。

 打率3割1分6厘はリーグ7位で、出塁率も同9位の3割7分4厘。開幕時に「8番・遊撃」を任されていた小幡からレギュラーの座を奪い、近本、中野の1、2番へつなぐチャンスメーカーとしてだけでなく、時に勝負強い打撃でも存在感を発揮している。出場42試合にとどまり、打率2割4厘と自己ワーストだった昨年とは別人のような働きぶりだ。

 岡田監督が最も重視する守備でも、ここまで38試合に出場してわずか2失策と堅守を披露。中野との新二遊間でセンターラインをカチカチに引き締め〝守りの野球〟を体現している。

 オールスター戦のファン投票中間発表でも24日現在、木浪は遊撃部門で堂々のトップに立つ。セ・リーグで規定打席に到達している遊撃手は坂本(巨人)と長岡(ヤクルト)のみ。現在の好調をキープできれば、プロ5年目で初の夢舞台出場も現実味を帯びてくる。

 ベストナインとゴールデン・グラブ(GG)賞のダブル受賞への期待も大きい。チーム関係者は「ひいき目かもしれないが、打撃でも守備でも、木浪は今、最もふさわしい位置にいるんじゃないの。去年までファームで悔しい思いをしてきた選手だけに、今年は最高のシーズンにしてもらいたい」と言う。

 ベストナインとGG賞のセ・遊撃部門は、直近10シーズンで坂本が各5度受賞。虎のド根性男が偉大な遊撃手に引導を渡す文字通りの〝ジャイアントキリング〟を果たせるか。