G7広島サミットの成功で、来月の通常国会会期末にも岸田文雄首相が解散総選挙に出る可能性がささやかれる中、野党第1党をうかがえる勢いを見せている日本維新の会および大阪維新の会が、東西で起きている騒動の火消しに躍起となっている。

 維新の本拠地・大阪で話題の人となっているのは地域政党「大阪維新の会」の大阪府議団代表だった笹川理府議(41)だ。維新所属の大阪市議会の宮脇希議員(36)に対して8年前にハラスメント行為を働いたと週刊文春に報じられ、17日に党から厳重注意を受け、謝罪もしていたが、22日付で一身上の都合を理由に府議団代表を辞任した。

 笹川氏は2011年に府議選で維新から当選して4期目。今月8日に府議団代表に就任したばかりだが、文春によれば、宮脇氏へのパワハラだけでなく、新たに性的関係を要求するストーカー疑惑も追及されていたところ、辞任届が出された。

 関西大大学院からリクルートを経て、府議となっていた笹川氏は次代の維新を担うホープと期待されていたが、同氏を知る関係者は「維新らしい偉ぶったところもなければ、頭の回転が速いキレるタイプでもない。維新の風に乗って、3期目で団長に押し出された感じの小物感漂う人で、パワハラやセクハラするほどの度胸があったのか」と話す。

 国政では、日本維新の会の梅村みずほ参院議員(44)の「ハンガーストライキ」発言で、党側の混乱は続いている。

 梅村氏は入管施設で亡くなったウィシュマ・サンダマリさんについて、参院本会議で「詐病の可能性を指摘される状況につながった恐れも否定できない」の発言を皮切りに法務委員会ではハンガーストライキによる死亡の可能性を主張。党側は梅村氏を法務委の委員から更迭し、23日には音喜多駿政調会長が委員会で梅村氏による一連の発言の謝罪に追われた。

 党側が騒動の収拾に急ぐのも無理はない。統一地方選で維新は地方議員と首長の数が目標の600人を大きく超える774人となり、立憲民主党は完全に退潮モードにある。7月にも衆院選が行われる可能性が出てきたことで、野党第1党の可能性が現実味を帯びており、急きょ、全国に候補者を擁立しようと募集をかけ、エンジンがかかっている状況だ。

「党内では笹川氏の件は8年前の出来事で、なんでいまさら出てきたのか、誰が刺したのかと話題になれば、梅村氏のハンスト発言も執行部が全くコントロールしきれていない。結局、維新はいまだに橋下、松井体制下と変わらず個人商店のままで、国政政党たるガバナンスが取れていないんです」(永田町関係者)

 維新はこれまでもたびたび不祥事が噴出しているが、野党第2党とあってか、それほど問題視されずに野放しになっていた背景もある。この日、維新は次期衆院選で立憲の泉健太代表と岡田克也幹事長の選挙区に対抗馬の擁立を明らかにした。東西で起きている騒動の話題そらしに必死で、衆院選へ向けた上げ潮ムードに水を差されないように腐心している。