オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第138回は「トカゲの花子さん」だ。
山形県に伝わる学校の妖怪の一種である。「トイレの花子さん」系列の妖怪だと思われる。だが、この妖怪が特別なのは、その姿が異形であることだ。「トカゲの花子さん」はなんと巨大なトカゲの姿をしているのだ。
この妖怪の呼び出し方は簡単である。トイレの花子さんが出没するという女子トイレに行って、あらかじめ指定されたトイレをノックする。そして「花子さーん」と優しく声をかける。するとかわいらしい声で「はーい」という返事が聞こえるのだ。
女の子の妖怪が姿を現すと思っていたところ、突然3メートルもある巨大なトカゲが姿を見せ、あぜんとしている生徒を一気にひとのみにしてしまう。
トカゲとしても形は異形である。3メートルもある巨大な体に3つの首がついている。このあたりのビジュアルは西洋妖怪である「ケルベロス」と似ている。
もともとは山形県に伝わっていた「学校に巨大なトカゲが住んでいる」「女子トイレに花子さんが住んでいる」という2つの伝説が時代を経るにつれ、まじりあったものだと推測される。
ちなみに学校に異形の生物がすみ着いているという学校怪談はまあまあある。例えば、熊本県の某学校の図書館に生息しているといわれる「ちゅーそん」は、犬ぐらいの大きさの巨大ネズミであり、人間に襲いかかるといわれている。また、少女と怪物という組み合わせから想像するに「イグアナ少女」も影響を受けているものだと推察できる。トカゲの花子さんは、学校怪談が熟成するにつれて、生み出されていったハイブリッド妖怪なのかもしれない。











