オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第137回は「角女」だ。

「角女」と書いて「すみおんな」と読む。「かどおんな」とは読まない。

 ある地域のアパートの一室に出る女の幽霊であり、基本的に下着姿である。部屋の角にぼうぜんと立っており、話しかけても何の反応も示さない。ぼさぼさの髪をしており、なぜか片方の手で壁をこすっている。毎日出るわけではない。時々、忘れた頃に姿を現すという。特にたたりはない。

 筆者のユーチューブチャンネルにこの妖怪の情報を投稿してくれた男性は、アパートに入居した後、長きにわたって角女の出現に悩まされた。隣の部屋に住む男が一見、感じよく見えるものの、実は角女を操っている可能性が高いという。呪いの言葉を吐いて、角女を投稿者の部屋に送り込んでいるのではないだろうか。

 部屋の四隅を使う妖怪としては、伝承妖怪として「隅の婆さま」が挙げられる。これは真っ暗にした部屋の四隅に子供たちが配置され、一斉に部屋の真ん中に集まって、お互いの頭をなで合う。そうすると1人分だけ頭が多いという。つまり、婆の分だけ頭が余分にあるのだ。

 部屋の角は異界につながる境界なのだ。