【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#517】先日、フランスからUMA研究家のヴィルジール氏が来日した。同氏は自身でも「ビッグフットのような獣人」を目撃した事があり、それ以来、世界各地に伝わる獣人…「ビッグフット」や「ドッグマン(犬男)」などについて調査を行っている人物だ。今回の来日では日本でも有名な獣人型UMA「ヒバゴン」などの調査や山口敏太郎が紹介した「伊香保温泉獣人」の調査を群馬県で行ったり、筆者と意見交換を行っていた。

 フランスのUMAの中で日本でも有名なものは、100人以上を食い殺したとされる凶暴な魔獣「ジェヴォーダンの獣」だろう。ジェヴォーダンの獣は、1764~67年の3年間で200回にもわたり人間を襲っており、死者は100人以上、負傷者80人以上というおびたただしい数の犠牲者を出しているが、正体は不明のままだ。

 姿は牛のような巨体を持つ巨大オオカミ(あるいはイヌ科の生物)とされており、体毛は赤く、巨大な歯が口からはみ出ている。尻尾はイヌ科の生物と違って異様に長く曲がりくねっていたというので、ここから生物の正体が突き止められるかもしれない。

 さて、ジェヴォーダンの獣は18世紀以降目撃証言を聞かないが、実は近年でも目撃されているという新たな情報をヴィルジール氏から入手した。画像を見てほしい。2022年8月に撮影されたものなのだが、川の中に何か奇妙な生物がたたずんでいる様子が確認できる。よく見ると、長い首に湾曲した背中を持つ真っ黒い生物が立っているのだ。全身が長い毛で覆われているようで、体のシルエットは馬とも大型犬ともつかない。生物との距離はかなりあるようだが、相当な大きさがあるように感じられる。

 ヴィルジール氏によると、この写真はフランスのオート=ガロンヌ県の森を散策していた家族が撮影したものだという。撮影者は消防士であり、2人の子供を連れて森の中を歩いていたところ、水辺に奇妙な生物がいるのを目撃したという。その生物は川の中にいたが、まるで流れを感じていないようだったという。シルエットは犬を思わせたが、大きさは馬ほどもあった。この生物は撮影者には全く気づいていないようで、悠然と川を横切って森の中へ消えていってしまったという。

 果たして、この生物の正体は何なのか。明らかに哺乳類を思わせるシルエットだが、このような大きさと骨格を持つ生物は実在しているのだろうか。ジェヴォーダンの獣を描いた絵が残されているが、この生物のシルエットや大きさは酷似していると言っても過言ではない。

 ジェヴォーダンの獣の正体に関してはさまざまな説が唱えられている。人間が巨大なオオカミを飼いならし、人々を襲わせていたという〝人間黒幕説〟や、アフリカ地方から船で運ばれたライオンが人間を襲っていたという〝ライオン説〟がある。さらには野生化したイヌ科の生物が大型化したものという説もある。

 ちなみにヴィルジール氏はジェヴォーダンの獣について、「大型肉食獣のハイブリッド説」を挙げている。正体はオオカミに限らず、オオヤマネコなどのネコ科の猛獣が交雑し、体格が大きくなったのではないか、とのことだ。同様の説はイギリスの「エイリアン・ビッグ・キャット」でも出てきており、あながち間違ってもいないのではないかと考えられる。

 しかし、写真に写っていた生物がもし本当にジェヴォーダンの獣だった場合、伝説の凶暴なUMAが今もフランスの森の中に生息していることとなる。ヴィルジール氏いわく、フランスでは既にジェヴォーダンの獣の伝説を知る人は少なくなっているそうなので、18世紀の時のような悲劇が起きないことを願ってやまない。

 なお、UMA研究家・中沢健氏とヴィルジール氏の対談動画でもこの話に触れたので、興味がある人は見てほしい。