幻のガウンが、主のもとへ帰った。昨年10月に死去したプロレス界のスーパースター・アントニオ猪木さん(享年79)の「お別れの会」が7日、東京・両国国技館で行われ、愛弟子の〝野獣〟藤田和之(52)が、一般向けの献花式が行われた第2部にサプライズ登場した。

3枚のガウンが展示された
3枚のガウンが展示された

 突如の出来事だった。関係者やチケットを持つファンが出席した式典に姿のなかった野獣が、第2部冒頭に桐の箱を持って登場。突然の出来事に凍り付く会場を突っ切って、献花のために用意されたリングに突き進んだ。その後、猪木さんの娘・寛子さんや弟の啓介さんの言葉を受けてリングに上がると、孫の尚登さんとともに箱を開けて中からガウンを取り出した。

 それはまさに、藤田の盟友の〝悪魔仮面〟ことケンドー・カシンが昨年10月の葬儀・告別式の後から東奔西走して発掘した3着のガウンだった。1998年4月4日に東京ドームで行われた引退試合で着用した白地に「闘魂」の文字が施されたガウンのほか、白地で背中に富士山が描かれたものと、黒地で金色の鳳凰が大きく翼を広げたものだ。

 尚登さんの手も借りながら3着のガウンを丁寧に広げ、撮影に応じた藤田は「無事に取り返してきました!」と叫ぶ。そして会場のファンから大きな拍手を浴びるとリングを降り、足早にその場を去るのだった。