至宝の〝綱引き〟が激化するのか。今季スペインで絶好調の日本代表MF久保建英(21=レアル・ソシエダード)は第2次森保ジャパンで活躍が注目されるが、一方でカタールW杯後に本人が2024年パリ五輪への出場を熱望したことで、本大会を目指す大岩ジャパンでもエースと期待される。今後は活動が重なる期間の使い分けで難しい調整を迫られそうだ。

 久保は飛び級で2021年夏の東京五輪でもエースだったが、本来はパリ五輪世代。だがカタールW杯でスタメン起用されるなどすでにA代表のレギュラーで、来年のパリ五輪への招集は見送りが既定路線だった。

 ところが、W杯敗退後に久保は「パリ五輪に僕は出られる。チャンスがあれば出たい」と突如表明。パリ五輪を目指すU―22日本代表の大岩剛監督は昨年末に「当然、我々のグループに必要な人材」と熱望し、渡りに船で久保をエースとして迎え入れる構えだ。

 しかし、A代表とU―22代表はともに国際Aマッチデー期間に試合や合宿を行うため、活動が重なってしまう。今年は3月を皮切りに、6、9、10、11月とそれぞれ試合や遠征を予定している。

 しかも来年早々には両チームとも大舞台が控える。森保ジャパンはアジアカップ(カタール)が同1月に開催される見込み。W杯に次ぐ位置付けで、結果次第では森保監督の進退問題に発展する可能性もある重要な国際大会だ。

 一方の大岩ジャパンは、パリ五輪予選を兼ねるU―23アジアカップ(カタール)が同2月の開催で調整が進められている。本大会のアジア出場枠は3・5(4位はアフリカとのプレーオフ)で4強入りが絶対条件。この大会は代表側に選手の拘束力はないが、前回出場権をかけて戦った16年リオデジャネイロ五輪予選では、FW南野拓実(当時ザルツブルク)とFW久保裕也(当時ヤングボーイズ)の招集がクラブと交渉の末に実現しており、大岩監督としても久保を呼びたいところ。どちらのチームも〝生死〟をかけた戦いだけに、キーマンの久保を巡って綱引きとなる可能性がある。

 森保監督は世代別代表との調整が必要な選手について「まずはA代表で招集すべき選手をピックアップした中で、五輪世代やU―20世代の選手がいれば監督と話し合って、どちらでプレーしたほうがいいのかということを相談して決めていきたい」との見解を示した。

 至宝の〝兼任問題〟の行方に注目が集まる。