【元局アナ青池奈津子のメジャー通信】上に寒くて薄着を後悔する2月…は変わっていないし、ガソリン代がロスより1ドルほど安いのも変わっていないし、隣の芝生が青いのも変わっていない。例年と何が違うのかと考えていると「普通じゃないのが、普通になっちゃったんでしょ」とエンゼルスのペリー・ミナシアンGM。まさにそうなのだ。

 昨年は、労使協定の交渉でキャンプ入りが遅れ、2021年はコロナで取材なし。20年の途中で世界がシャットダウンしてから、実に4年ぶりの「普通」のキャンプなのだ。こんなにもほのぼのしていたものだったか。4年ぶりにとれたマスクもインタビューをしやすくする。

 ダビッド・フレッチャーは、そんな新鮮な春の空気の中でも特にほのぼの感を醸し出す存在。例えば、3年ぶりにクラブハウスでの取材が許された昨年「ダビッド・フレッチャーを表す言葉3つは何かとあなたの親友に聞いたら、どんな答えが返ってくる?」と聞くと「うーーーーーむ」と散々うなった後で、「今ちょっとコビーに電話してもいい?」とその場で朝9時から友人に電話をかけた。事情を説明し、何かいい言葉を3つお願いすると、面白いことを言われたのか、大笑いし「僕を少し良く見せる言葉を探してくれているんだけど、ないみたいだ。『コビー、僕も思いつかないよ!』」。

 最終的に「流れに身を任せるタイプ」「ユーモアがある」「衝動的」の3つに落ち着いた時は満足そうだった。

 オフの日にはわずか1日でも飛行機でラスベガスに行ってしまうほどのポーカー好きで、魅力は「ストラテジー」「変数」「競争性が高い」から。友人にポーカーのプロがいてまだ修業中だが、すでにかなりの儲けが出ている模様だ。

 あまのじゃくなところがあり、シーズン中にコメントをもらいに行っては核心を巧みに避け、「大谷選手の英語力? グッドだけどイッペイが少し妨げていると思うんだよね」とあえて本題の大谷翔平投手(28)ではなく、柱の反対側のロッカーにいる水原氏に聞こえるように話したり。そのたびに水原氏が愛のあるにらみを利かせてくるやりとりも、見ているこちらが楽しくなる。

 そんなダビッド、今春最初の質問も外さなかった。

「オフシーズンの過ごし方を表す単語3つは?」の問いに、一瞬考え、ニヤッと笑って「イット・ワズ・グッド、はい3つ」いやいやいや、それ文章! 探しているのは形容詞ですから!

 ちなみに「グッド」「楽しい」「生産的」だそうだ。一体、どんな冬だったのかさっぱり分からないが。

 メジャー取材17シーズン、今季もこんな「普通」を皆さんに届けていけたらなと思う。

 ☆ダビッド・フレッチャー 1994年5月31日生まれ。28歳。米国カリフォルニア州出身。175センチ、79キロ。右投げ右打ちの内野手、外野手。2015年のMLBドラフト6巡目(全体195位)でエンゼルスから指名されプロ入り。18年6月にメジャーデビューすると、同年80試合に出場し、打率2割7分5厘、1本塁打、25打点。三塁の定位置を獲得した19年は154試合に出場し、打率2割9分、6本塁打、49打点。21年開幕前にエンゼルスと5年契約を結び、同年は主に「1番・二塁」で157試合に出場。22年は一時ショートにコンバートされるなど守備には定評がある。