岸田文雄首相(65)は8日の衆院予算委員会で同性婚の制度化に関して、「社会が変わってしまう」との自らの発言を撤回しない意向を示した。
先週1日の同委員会で、岸田首相は同性婚の制度化について「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」と答弁。野党側は、性的少数者(LGBT)たちを傷つけかねない答弁だとして厳しく追及してきた。
この日、立憲民主党の岡本あき子衆院議員は「この表現は当事者から非常にネガティブ(否定的な)な表現として受け止められている」と謝罪と撤回を求めた。
これに対し岸田首相は「すべての国民に幅広く関わる問題であるという認識のもとに『社会が変わる』と申し上げた。これは決してネガティブなことを言っているんではなくして、もとより議論を否定している、こういったものではありません」と釈明し、撤回しない考えを示した。
自民党の宮下一郎衆院議員には、岸田首相の著書「岸田ビジョン」を取り上げられ、岸田政権の性的少数派に対しての考え方を問われた。
「私は著書のなかでLGBTを含む様々な方々が尊重され、活躍できる社会像について記述した。私自身もニューヨークにおいて小学校時代、マイノリティー(少数派)として過ごした経験ですとか、『LGBTだから』という理由で、その役割や能力を十分に発揮できなかった、そうした残念な思いをされてこられた方々の思い、こうしたものが土台になっていると考えています」と岸田首相は説明した。
この日の同委員会で、多様性尊重の方針を強調した岸田首相だったが、LGBT理解増進法案や差別禁止法、選択的夫婦別姓の必要性に言及することはなかった。自民党内で議論されていることとして岸田首相は「しっかり見守る」と答弁。これに野党側から「人ごとか?」とヤジを浴びせられた。
「差別発言した秘書官の更迭後、岸田政権に対する世論調査の結果が心配です。支持率低下はまぬがれない状況でしょう」(政府関係者)
岸田首相は昨年に引き続き、厳しい政権運営を強いられることが予想されている。












