意地のVだった――。柔道のグランドスラム(GS)東京大会最終日(4日、東京体育館)の男子66キロ級は、丸山城志郎(29=ミキハウス)が優勝。東京五輪金メダルの阿部一二三(25=パーク24)が欠場した中でも、きっちり結果を残した。

「なかなか気持ちが上がらなかった」。試合後の丸山は、率直な思いを口にした。柔道関係者の間で「丸山と一二三の勝者が、残り2年を切ったパリ五輪の代表争いで優位に立つ」との見方が強かった10月の世界選手権。リベンジに燃える丸山だったが、決勝で一二三に敗れた。ショックは大きく「この大会に向けてつくり上げていくのが、本当に難しかった」という。

 万全な状態とは程遠い中での一戦。準々決勝では大苦戦を強いられた。何とか頂点に立ったものの「中途半端な気持ちでずっと練習をして試合に挑んでしまった。やっぱり試合はそんなに甘くない」と反省しきり。今大会の優勝でパリ五輪出場に望みをつないだとはいえ、依然として厳しい状況であることに変わりはない。

 だが、丸山はあきらめていない。「一回りも二回りも成長した姿を見せられるように毎日頑張りたい。やるしかない、そのひと言しかない。どんな状況に置かれてもやるしかない」と言い切った。ギリギリの戦いを勝ち切ったのは大きな収穫。ここからが逆襲劇のスタートだ。