【FIFAワールドカップ】〝アルラヤンの屈辱〟で森保ジャパンが不穏ムードだ。日本はカタールW杯1次リーグE組第2戦のコスタリカ戦(27)で一方的に攻めながら終盤に失点して0―1と敗戦。初戦ドイツ戦の大金星から一転して、決勝トーナメント進出へ窮地に立たされた。格下で勝ち点を計算していた相手にまさかの失態となったが、敗因を探ると負けるべくして負ける試合だった。

 これが強豪ドイツを破って世界中から称賛を浴びたチームなのか。国際サッカー連盟(FIFA)ランキングで日本の24位に対してコスタリカは31位と格下。しかも初戦スペイン戦で0―7と大惨敗を喫しており〝死に体〟の相手だった。

 実際、試合でも地力に勝る日本が序盤から圧倒的に攻め込む。0―0で折り返すと後半は〝伝家の宝刀〟3バックに変更してドイツ戦のようにMF三笘薫(ブライトン)やMF伊東純也(スタッド・ランス)を投入。攻勢を強めて相手をサンドバッグ状態に追い込んだが、後半36分に一瞬の隙を突かれてDFケイシェル・フジェル(エレディアノ)に決勝点を奪われた。

 確実に勝ち点を見込んでいたコスタリカ戦での屈辱的な敗退はなぜ起きてしまったのか。まずは対策不足だ。イレブンは後がないコスタリカが前がかりになると予想。しかし相手は日本が苦手な〝ドン引き戦法〟を用いてきた。DF長友佑都(FC東京)は「もうちょっと(前に)来るかなと思ったけど、意外に引いてブロックをつくってきた。来てくれたほうが自分たちにはよかった。なかなか難しかった」と想定外だったことを認めた。

 また、ドイツ戦の大金星で浮き足立つ様子も見受けられた。日本中がフィーバーして、森保ジャパンは一躍注目の的に。イレブンが日本での反響の大きさを語ることも多く、MF相馬勇紀(名古屋)が「友人たちからも連絡が来たし、渋谷とか盛り上がっている動画も見た。さらに注目度は上がっている」と語るなど〝お祭りムード〟がまん延していた感は否めない。警鐘を鳴らしてきた主将のDF吉田麻也(シャルケ)は敗戦後に「大きな勝利の後は、どうしても気持ちが緩みがち」と唇をかんだ。

 試合ではチームの不安定さを露呈。森保一監督(54)は中3日の日程もあって、ドイツ戦からスタメンを大量5人も入れ替え。これ自体はプラン通りだったが、試合後に伊東が「メンバーが前(攻撃陣)は、ほとんど変わって、コンビネーションの部分で難しかったのかなと見ていて思った」とズバリ。スタメン入れ替え策の準備不足が浮き彫りになり、選手からチーム方針がうまくいかなかったとの指摘が出たのは気がかりだ。

 また、試合中にMF鎌田大地(Eフランクフルト)がDF山根視来(川崎)に〝激高〟しているかのような場面も波紋を呼んだ。「テレビ(の取材)でも2回言われた」という鎌田は「『もっと守備は前に出ていいんじゃないか』と言った。それが日本人の感覚なのか分からないけど、ピッチ上でそうやって言い合うのは普通のこと。僕は何とも思っていない」と語ったが、わだかまりを残さないか心配だ。

 日本に金星を献上したドイツは内紛ぼっ発が現地メディアで盛んに報じられている。森保ジャパンもその二の舞にならなければいいが…。