初の賜杯へ、上積みあり――。大相撲九州場所11日目(23日、福岡国際センター)、元横綱朝青龍を叔父に持つ関脇豊昇龍(23=立浪)が、関脇御嶽海(30=出羽海)を一気に寄り切って10勝目(1敗)。幕内王鵬(大嶽)が敗れて、優勝争いの単独トップに立った。取組後は「集中して自分の相撲を取りきった。悪くないと思います」と淡々と振り返った。

 大横綱のDNAを継ぐ〝サラブレッド〟は3月の春場所で小結に昇進。三役として4場所連続で勝ち越した一方、2桁白星がないことから物足りなさを指摘されることもあった。そうした中、立浪部屋と親交がある日昇つくばの塚田純夫会長は「今場所は覚悟を持って臨んでいるようです。やっぱり突き抜けないと上は狙えませんからね」と証言。両ヒザを手術した横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)の不在や大関陣の不振が続く現状を、自らのチャンスに変えようとしているという。

 土俵上の実力以外でも確実に成長を見せている。塚田氏は「勝ち越しを決めた後に『おかげさまで勝ち越すことができました』と連絡が来たんです。必ずしないといけないわけではありませんが、そういう面も評価の一つだと思うんですよ」と精神的にも上積みがあることを明かした。

 2桁白星で大関とりの起点としただけでなく、V争いをリードする立場となったが、豊昇龍本人は「気にしてないので一日一番大事にしていきたい」と冷静。平常心を貫いて偉大な叔父に近づくつもりだ。