元WWE戦士のKAIRI(34)がインタビューに応じ、新設される「IWGP女子王座」への思いを激白した。スターダムと新日本プロレスの合同興行(20日、東京・有明アリーナ)メインの「初代王座決定トーナメント」決勝戦では、元盟友の岩谷麻優(29)と対戦する。「IWGP」の初代王者で10月1日に死去したアントニオ猪木さん(享年79)、そして古巣のWWEマットで活躍するかつての同僚たちに、世界を旅する海賊姫は何を思うのか――。

 ――決勝戦が合同興行のメインだ

 KAIRI 数々のメインイベントを日本でもアメリカでも務めさせてもらいましたが、正直今回が一番緊張しています。アントニオ猪木さんが「IWGP」を設立されてからこれまで、そうそうたる選手たちが命を削ってすごい試合をしてきた。そうやって歴史をつなぎ続けて、ベルトの価値が高まり今になっている。その名前を背負わせていただくことにプレッシャーは感じますけど、IWGPの歴史に恥じない戦いをして、この初代から新しい歴史をつないでいきたい。

 ――IWGPヘビー級初代王者である猪木さんの存在は

 KAIRI パイオニアであり、カリスマであり、心技体全てを兼ね備えた最強のレスラーだと思います。どうやったらお客さんを盛り上げられるかに情熱を向けていた。マイクでもお客さんに「来てください」じゃなくて「見に来い」っていうこびないところがすごかった。特に(1976年6月26日の)モハメド・アリ戦が印象に残っていますね。猪木さんの試合ってピンチになるけど、必ず最後はスカッとさせてくれる。ウルトラマンみたいなヒーロー気質もあって身長も高くてハンサムで、非の打ちどころがない。一度お会いしてみたかったレスラーの一人でした。

入場時にポーズを決めるKAIRI
入場時にポーズを決めるKAIRI

 ――王座を手にしたらどんなベルトにしたいか

 KAIRI 枠にとらわれないベルトにしたい。アメリカでもやってきた経験があるので、国籍問わず世界中の選手と戦いたい。猪木さんのように選手のいいところを引き出して、記憶に残る試合をしていきたいです。

 ――決勝の相手は岩谷

 KAIRI 麻優さんは世界一受け身を取るのが上手。この技が効くだろうと思ってやっても立ち上がってこられるから、次どうしようってなっちゃうんですよね。麻優さんみたいな打たれ強い選手と戦うのが一番、心身ともに削られる。

 ――どんな試合になる

 KAIRI 麻優さんも5年半スターダムに上がり続けていく中で、いろいろな選手が団体に入ってくることってうれしいことでもあれば、ライバルが増えるわけですからいろんなつらい気持ちも絶対あったと思うんです。私もアメリカにいる時、助けてくれる人が誰もいない中で試合のスケジュールのやりとりから移動から全部英語でやってきた。試合でチャンスをもらえても、盛り上がらなかったらもう使われないっていうプレッシャーの中でやり抜いた。お互いの5年半を確かめ合うような試合にしたい。

 ――かつて紫雷イオ(現WWEイヨ・スカイ)を含めた「3人娘」として団体をけん引した

 KAIRI 大量離脱があって、1日2試合が普通だったスターダムの一番苦しい時代に3人で肩を組んでやってきた。遠征でボロボロのホテルに何度も泊まったり、1日何試合もしないといけないつらい状況でも、試合前に必ず3人で円陣を組んで、「1、2、1234」ってイヨさんの音頭でやっていたのが記憶に残っています。

「3人娘」と呼ばれた(左から)岩谷、宝城カイリ、紫雷イオ(2017年5月)
「3人娘」と呼ばれた(左から)岩谷、宝城カイリ、紫雷イオ(2017年5月)

 ――イヨやWWEでタッグを組んだアスカの活躍はどう感じるか

 KAIRI すごくうれしくて心から成功を願っていますし、アメリカの試合の映像を見ると自分も頑張ろうと刺激を受けます。WWE時代にアスカさんと(中邑)真輔さんと一緒に時間を過ごせたことがプラスになりました。前に試合で参考にしているものを聞いたら「吉本新喜劇」だと言われて。間が命なところとかテンポ感とかが似ている。私も小さいころから見ていたから「確かに」と思って、参考にするようになりました。

 ――決勝前日(19日)のエディオンアリーナ大阪第1競技場大会ではワンダー王者・上谷沙弥に挑戦する

 KAIRI 10年のキャリアで2日連続タイトルマッチは初めてですけど、ピンチはチャンスと思っています。生半可な気持ちではいけないと思って、毎日6キロ走った後に2時間の筋トレをやって、キックボクシングとか柔術の出稽古に行って追い込みをかけてます。

 ――2冠も夢じゃない

 KAIRI 2冠チャンピオンになったらワクワクさせたいし、自分もワクワクするような新時代を見せる。そのためにトレーニングするときはAdoの「新時代」を聴いています(笑い)。上谷くんは大丈夫かな? チャンピオンは追うよりも追われる方がキツイ。でも、私は覚悟ができているからビビってかかってくるな。歯でも持っていけばいい。ここは〝ブラックKAIRI〟を出動させます。