悔しさをバネに――。大相撲九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の新番付が発表された31日、新小結翔猿(30=追手風)がオンラインで会見を行った。

 念願の三役昇進に自然と笑顔が広がった。番付表を確認し「うれしかったですね。〝虫眼鏡時代〟からやってきたので」と、序ノ口デビュー当時は自らのしこ名が小さかったことを引き合いに喜びをかみしめた。ただ、ここで満足するつもりはなく「いざ小結になるともっと上を目指したいなという気持ちになります」とすでに上位を見据えている。

 埼玉栄高の1学年後輩で同部屋の小結大栄翔、同い年の関脇御嶽海(出羽海)らを意識してきた。「(彼らが)上位に早く上がって活躍したので悔しさもあり、みじめさもあり、何とか頑張っていきたいなという気持だった」。ところが、新十両昇進後は一度幕下に転落し、再び十両復帰するも足踏みが続き「ここでいいか」と考えることもあったという。

 幕内では昨年春場所から5場所連続で負け越すなど成績が振るわず、実力差を痛感。何度も壁にぶつかったが、そのたびに周囲の声援が原動力になった。その後は稽古を見つめ直し、これまでよりも30分早く稽古場に入った。基礎運動を中心に汗を流して徐々に力がついてきた。

 そうして東前頭筆頭で迎えた9月の秋場所は「せっかくのチャンスだったので無駄にしないように」と心に決めて10勝5敗。「30(歳)までに」と目標設定していた新小結昇進をたぐり寄せた。

 ただし、ここで立ち止まるつもりはない。「『猿』なんですけど『ゴリラ』のような力をつけていきたい。スピードだけじゃなく」とさらなるパワーアップを誓い、その先には「大関を目指していきたい」と次のターゲットを掲げた。