偉大さを改めて痛感した。スピードスケートの全日本距離別選手権初日(21日、長野・エムウェーブ)、女子1500メートルで佐藤綾乃(25=ANA)は、1分56秒55をマークして2位。同走で優勝した高木美帆(28=日体大職)に約3秒差をつけられた。

 開口一番、佐藤は表情を曇らせた。「準備段階で調子が、今までの中ではすごくよかった。自分自身に期待はしていたが、美帆さんのことを気にしすぎて力みすぎた。正直悔しいというか、納得がいかない」。挑戦者として臨んだが、大会新記録を出した高木美の前に、歯が立たなかった。

 昨季までは先輩たちの背中を追いかける立場だった一方で、高木菜那氏(30)らが引退。高木美もナショナルチームを離れた。この状況に「すごくもどかしい気持ち。上を目指そうという気になれないわけではないが、同じテンションでなかなかトレーニングに励むことができなかった」と明かすなど、苦しい時間を過ごしてきた。

 ただ、高木美と同走した中で「私の目指している世界のトップの選手なんだなと改めて感じた。ずっとずっと私の前を走ってくれる先輩だなと感じた」と大きな刺激を受けた。

 満足のいく滑りができなかったとはいえ、落ち込んでばかりはいられない。「もっともっと自分なりに工夫して、この環境の中で世界のトップを目指していかないといけない」ときっぱり。対する高木美も「常に(前を)走り続けたい」と負けん気をのぞかせたが、佐藤は必死に食らいつく覚悟だ。