連覇を果たしたオリックスがFA補強に乗り出す。球団は中嶋監督の手腕を高く評価してすでに来季続投を決めているが、さらに常勝軍団を目指してFA戦線にも打って出る。候補に挙がるのが西武・森友哉捕手(27)と広島・西川龍馬外野手(27)だ。特に大阪出身で少年時代はオリックスジュニアに所属していた森の評価は高く、球団関係者は「守備よりも打撃が魅力。本人が来たがっているとの情報もあるし、ウチの打力不足を思えば絶対に取りに行くべき。DHでも使える」と見ている。

 広島の〝天才〟と称される西川も「実家が京セラの近く。ウチに来たがっているとの情報もある。左翼も右翼も守れる。ケガもあったけど、打撃技術は素晴らしい選手」と見ている。また、日本ハムの近藤健介外野手(29)もリストアップしており、いずれにしても主砲の吉田正が順調なら来季中に国内FA権を取得することを踏まえ、長打力ある野手を念頭に見極めていく。

 さしたる補強なしでの戦いにフロント陣には「現場に負担をかけた。もっと楽に勝たせてあげたい」との思いもあり、加えて「強いチームになったことで持たれる印象も変わってきた。弱かった時代は選手間での人気もなかったし、2018年にはFAの浅村(当時西武)に会ってももらえずに断られたこともあった。今は優勝できるチームになって話し合いもやりやすくなる」と手応えを感じている。

 低迷期を経て〝不人気球団〟から優勝できる魅力的なチームに生まれ変わり、胸を張って交渉に乗り出していく。