【取材の裏側 現場ノート】11月に開幕するカタールW杯が迫ってきた。日本代表が出場した過去のW杯で、結果次第でここまで世間の反応が変わるのかと驚かされたのが2010年南アフリカ大会だ。
岡田武史監督率いる日本代表は、こう言ってはなんだが、大会前は人気がまるでなかった。「ベスト4」という高い目標を掲げながら結果が伴わず、盛り上がりとはほど遠い注目度。旅行会社からはツアーが売れないと嘆きの声が上がる。さらに出発直前の韓国との壮行試合は0―2で惨敗。世間ではあきらめムードが漂い、埼玉での練習を経て羽田空港から出発する一行の見送りはわずか40人だった。未明の出発だったことを差し引いても、ガラーンとした出発ロビーが本当にさみしかった。
しかし、本大会に入ると突如、快進撃を見せる。1次リーグを突破しベスト16入り。状況は一変。老いも若きも男性も女性も日本中が代表について語る。「本田が」「長友は」と選手の名前が街のあちらこちらで聞かれるようになった。象徴的だったのは、凱旋帰国した関西国際空港。出発時の約100倍となる4200人のファンが殺到し大混乱となった。会見では、DF今野泰幸がDF闘莉王のものまね「集まれ~!」を披露し笑いを誘った。あの寒々しい出発ロビーがウソのような熱狂ぶりだった。
カタール行きを前に、最終調整に励んでいる森保ジャパン。12年前同様、大会後ファンを100倍、いやそれ以上に増やす活躍を見せてくれるか。注目したい。
(スポーツ担当・中村亜希子)












