【病院通いになる前に健康寿命をのばす! プレメディカルケア】

 スポーツトレーナー・永井正彦氏による健康アドバイス。実際の事例をもとに解説します。

【お悩み】2年ぶりに町内会の集まりがあり、久しぶりに人前で話す機会があったんですが、呂律(ろれつ)がうまく回りませんでした(70代男性)

【アドバイス】鏡の前で「アイウエオ」「パピプペポ」と発声してみてください。

【解説】相談に来られた男性はひとり暮らし。コロナ禍の影響で、以前のようにスナック通いもままならず、自宅でひとり飲みが多い日々とのことでした。

 呂律が回らなくなってしまったのは、口角が下がっていたことが要因でした。この男性に限らず、世代を問わずマスクの着用時間が長くなってしまっているため、相対的に口角が下がっている傾向があります。

 口角とは上唇と下唇を結ぶ口の端の部分です。多くの場合、マスク越しにしゃべることがあるとはいえ、大声を出すことや思いっきり笑うことがめっきり少なくなっているので、口角があまり動いていないのが現状です。そのため小声気味になったり、呂律がうまく回らなくなるなど悪循環が起きているのです。

 口角をスムーズに動かすためには、口周りの筋肉を刺激することが必要です。

 男性には鏡に向かって「アイウエオ」という母音と「パピプペポ」という破裂音を明確に発声することを提案しました。1分間ほど繰り返すことで、口周りの筋肉可動域が広がってくるので、徐々に呂律も回りやすくなってきます。

 口を大きく広げる母音の「ア」と口を突き出す「ウ」をとくに意識すると、口周りの筋肉をしっかり動かせていることが実感できます。その時にはしっかりと声を出してあげることが大切です。

 また歯磨き後に口をすすぐ時、含んだ水を右から左に移す動作でも口角は動きます。ほっぺたを左右交互に膨らませるだけでもストレッチ効果が見込めるので、脳梗塞のリハビリとして行われることもあります。

 楽しみながら行うことが継続につながるので、歌番組などを見ながら一緒に歌ってみるのもいいでしょう。

 ◆永井正彦(ながい・まさひこ)1980年6月28日、東京都生まれ。スポーツトレーナー。2005年に都内でスポーツ整体「プレメディカルケア」を開業。パラ水泳の宮崎哲選手や津川拓也選手のパーソナルトレーナーも務めている。