獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。今回は新日本プロレスとスターダムの合同興行(11月20日、東京・有明アリーナ)と、IWGP女子王座の新設がテーマだ。両団体初の合同興行で行われる男女ミックスドマッチと、新日本を象徴する「IWGP」の冠がついた女子王座には賛否両論が渦巻いている。果たして元IWGPジュニアヘビー級王者の見解は――。

【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論(23)】スターダムのIWGP女子王座新設が話題になっているみたいです。ファンの皆さんも複雑だとか、IWGPとは…みたいなことを言われてる方もいて、今のところは否定的な意見のほうが目立ちますよね。

 まず合同興行に関しては、同じグループ会社だしやってもいいんじゃないかな。当初は僕もミックスドマッチはどうなんだろうって思ってた部分はある。攻撃対象が男は男、女は女だけっていっても、試合が進んで白熱していくと止まってられなくなっちゃうでしょ。

 でもね、ちょっと待てよと思ったんです。これってもしかして(アントニオ)猪木さんの言ってた「環状8号線の理論」かなと。今のファンは知らないかもしれないけど、2001年2月18日の両国国技館大会で猪木さんがホームレスの格好で出てきたことがあった。

 会場もざわついたし、僕らも「猪木さん、なんでまた奇抜なことやってるの」って。「そんなに目立ちたいのかよ」って言う選手もいたよ。でもね、結局次の日のスポーツ新聞の写真は全部猪木さんだったからね。

 その後の合宿の時に猪木さんが「あの時の俺がおかしいと思ったヤツは手を挙げろ」って言ったら、バカ正直に手を挙げたのは僕と(田中)ケロさんだけ。「お前は何も分かってない。ちょっと来い」ってミーティングの時ずっと隣に座らされたこともあったけどね。

 そういう教えを直に受けてきた僕からすれば、賛否両論が大きいほど今回の興行はもしかしたらチャンスなのかなって。世間が「えっ」て振り向く、プロレスに興味がない人もなんだなんだって思わせることができる。これこそが環状8号線の理論。「新日本とスターダムで誰と誰がやるの?」「ミックスドマッチって何?」って、知らない人にとっての入り口のキッカケになり得るよね。

 あとはやっぱり、IWGP女子にどんなメンバーが集まるのか興味がある。もともとIWGPは猪木さんがベルトを一つにまとめようということでやり始めたことだから、その冠を使う以上はスケール感をもってやってくれればいいと思う。WWEと比べられたって、いやいやスターダムのIWGP女子の方が上だよ、見たら分かるやんって言われるメンバーで戦いを見せてほしいね。

 スターダムがブシロードグループになって3年くらいでしょ。これが、すぐIWGP女子だったら「おいおいおい」ってなっていたかもしれないけど、機が熟した部分はあるんじゃないかな。木谷(高明=ブシロード社長)さんが用意周到に練った計画なのかもね。選手の実力もついてきて、今のメンバーならいけると。そこに猪木さんの環状線理論もぶち込んで世間を振り向かせようという。それくらいのことは考えてそうだし、僕としてもどうなるのか楽しみだね。