フェンシング世界選手権の女子サーブルで個人初の金メダルを獲得した江村美咲(23=立飛ホールディングス)が27日、都内で開かれた報告会に出席。父で元日本代表監督の宏二氏(61)が快挙への思いを明かした。

 当初は江村本人、所属先の村山正道社長と3人で会見を行う予定だった宏二氏は「金メダルを取った娘を前面に出してほしい」と同席を辞退。娘の会見終了後に取材に応じ、花を持たせる親心をのぞかせた。

 その宏二氏はフルーレで1988年ソウル五輪に出場。引退後は指導者となり、太田雄貴が銀メダルを獲得した2008年北京五輪では日本代表チームの監督を務めた。母・孝枝さんもエペ代表で世界選手権に出場。弟の凌平さんも中央大フェンシング部でサーブルの主将を務める〝フェンシング一家〟だ。

 元競技者でもある宏二氏は自身が成し遂げられなかった夢を娘がかなえたことについて「LINEで『おめでとう』だけ伝えた。でも、さすがに(世界選手権を)見ていて涙が出ました」と心境を明かした。

 宏二氏は娘を世界女王に育て上げる一方で、家庭内では全くフェンシングについて語らないという。「家は休むところだから。小さいころは教えていましたけど。私の仕事はいかに練習所に遊びに来させて『ここに来たい』と思わせ、フェンシングを好きになってもらうこと。やりたいと言った時だけ詰め込んでやっていた。強制的にやらせたことはなく、負けても怒ったことはない」と自身の〝育成術〟を語った。