東京五輪陸上男子400メートルリレー代表のデーデー・ブルーノ(22=セイコー)が本紙インタビューに応じ、個人種目の〝世界デビュー〟を誓った。高校2年時にサッカーから陸上に転向したという異色の新鋭は、7月の世界選手権(米オレゴン州)代表選考会を兼ねた日本選手権(6月、大阪・長居)でも注目のスプリンター。世界の舞台への意欲はもちろん、所属の先輩で憧れの山縣亮太(29)への思い、さらに今も注目する海外サッカー大物選手の魅力など、大いに語った。
――今春、新社会人になった
デーデー(大学までと違って)授業がないので体のケアだったり、自分にあてる時間が増えました。
――昨年は日本選手権100メートルで自己ベストの10秒19をマークするなど一気にブレークした
デーデー 振り返ると結果を出した場所がよかっただけなのかなと。国内トップクラスと比較すると、たいした記録ではないと思っていて。その後もそこまでいい結果を残せなかったので、今年1年通してどうなるのかを重視しています。
――走る機会はなかったが、リレー代表としてとして東京五輪を経験した
デーデー 実際に日本を引っ張ってきた先輩たちと憧れの舞台を味わえたことは貴重な経験になりました。ただ、残念な結果に終わってしまい、自分としてもすごく悔しかったですね。(※決勝でバトンがつながらず途中棄権となった)
――高校1年までサッカーを続けていたが、注目のクラブや選手は
デーデー (イングランド・プレミアリーグの)マンチェスター・ユナイテッドが好きで、所属しているフランス代表のMFポール・ポグバ選手に注目しています。彼のプレーはもちろんなんですけど、結構ユーモアもあって。試合ごとに髪形も変えたりするのも面白いので、そういうエンタメ性も好きですね。
――自身も奇抜な髪形に挑戦してみては…
デーデー いろいろ考えているんですけど、挑戦できるかは検討中です(笑い)。たとえば(スパイクの色に合わせて)青と赤とか面白い色を入れてみたり。でも、恥ずかしいので1試合だけでいいです。
――ところで、1学年上には100メートル前日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)がいる
デーデー 言われてみるとそうですね。活躍しすぎていて、もっと年上かと思っていました(笑い)。自分が陸上を始めた翌年(17年)の世界選手権200メートルで決勝に残ったのも見ていました。当時は1歳上と認識していたんですけどね…。ヤバい選手がいるなと。
――日本記録(9秒95)は山縣が持っている
デーデー 10秒19は悪くないと思っていましたが、山縣さんは自分に足りないものをたくさん持っている。すごい記録ですよね。自分は9秒台に入ることが難しく、違う次元だと思います。
――とはいえ、競技者としては近づき、超えたい数字では
デーデー 自分は生涯目標として9秒7台をマークしたいと思っていて。そのために風がなくても9秒8~9台はアベレージで出せるようになりたいですね。
――ちなみにツイッターのフォロワー数は山縣が約20万6000人に対し、自身は約5500人。こちらも近づきたいか
デーデー ありがたいことに最近(フォロワー数が)増えてきたんですけど、もう1桁いって(増えて)ほしいです(笑い)。ただ、今の数字は山縣さんの人柄もあると思うので、そういう部分も見習いながら自分も目標とされるアスリートになりたいと思います。
――日本選手権に向けて
デーデー その舞台で出るかは分からないんですけど(世界選手権の参加標準記録)10秒05を狙いたいですね。昨年の成績はいったん忘れて、あくまでも挑戦者として。その先の世界選手権は自分が目標にしている場所の一つ。特にリレーではなく個人で、海外選手と横並びになって自分が世界とどう違うのか、その場所でどう戦えるのか感じたいです。
【セイコーゴールデングランプリ】陸上のセイコーゴールデングランプリ(5月8日、東京・国立競技場)は、デーデーの所属が特別協賛を務める。男子100メートルには、デーデーに加え、東京五輪代表の多田修平、小池祐貴(いずれも住友電工)、同400メートルリレー代表の桐生祥秀(日本生命)が出場予定。海外からは2019年世界選手権覇者のクリスチャン・コールマン(米国)らが参戦する。
デーデーは「出場も難しい大会に出られ、光栄に思います」と率直な感想を述べた。また、コールマンについては「彼は60メートルでも(室内の)世界記録を持っている。自分が前半でどれだけ離されるかすごく興味がありますし、世界との差を感じたいと思います」と語った。世界屈指のスプリンターと走ることで冷静に〝現在地〟を分析するつもりだ。
☆デーデー・ブルーノ 1999年10月7日生まれ。長野・松本市出身。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ。創造学園(現松本国際)高1年までサッカー部に所属。高校2年から陸上を始め、東海大に進学。2021年、大学4年時に日本選手権100メートル決勝で自己ベストの10秒19をマークして2位。同200メートル決勝も20秒63の自己ベストで2位に入った。東京五輪400メートルリレー代表。177センチ、81キロ。












