競泳の日本選手権(28日開幕、横浜国際プール)に出場する池江璃花子(21=ルネサンス)が世界の頂点を見据えている。2019年2月に白血病を発症。驚異的な回復で昨夏の東京五輪出場を果たしたが、現状に満足はしていない。24年パリ五輪のメダル獲得を目標に掲げる中、日大の学生として取り組む卒業研究では「データ」の観点から自らの泳ぎを模索している。
日大4年の池江は、3年春から始まったゼミ活動の中で「競泳日本代表選手のバタフライ泳のパワーとタイムの変化について」というテーマで卒業研究に取り組んでいる。得意とする100メートルバタフライのタイムと泳ぎのパワーを測定したものをグラフにまとめ、泳速度とパワーの関係性について分析。現在は高校2年秋、3年冬、大学3年の春と秋の4回にわたって測定したデータをもとに仮説を立てている段階だ。
日大の専任講師で指導教員の原怜来氏は「高校生時と比べると、大学3年春の時点で泳いでいる時のパワーがようやく戻ってきたが、その割にはタイムが戻ってきていなかったことが分かる。こういうデータを集めて、今の池江に何が足りないのかを、池江自身が泳いでいる時の感覚とも合わせながら分析しているところ」と説明する。実際に池江本人も「技術を戻せば、また世界記録も見えるくらいの位置で泳げる」と語っていたこともある。
では、技術を戻すとはどういうことか。原氏は「泳いでいる時は筋力があり、水をしっかりとらえることができ、抵抗の少ない泳ぎができたときに大きなパワーを発揮することから、技術も大事になってくる。例えばボディービルダーがすごい筋力を持っていても、泳ぐ際に水をとらえられなければ、そこまでパワーは出ない」と指摘した。
だからこそ、技術面のさらなる向上が重要課題となっている。「特に水泳は技術がタイムに大きく関わってくるので、池江自身も水をどれくらいちゃんととらえられているのかを考えている。もともと技術力は非常に高い選手なので、白血病になる前と比べて技術を含めパワーがどこまで戻ってきているかを意識していると思う」と原氏は話す。今後は池江と相談した上で、データ量を増やしてより詳細に研究。学内で発表会がある来年1月をメドに自身の泳ぎの形を明確にしていく。
パリ五輪まで残された時間は約2年3か月。飽くなき探求心で、夢を現実に変えてみせる。












