遅咲きだからこそ期待が高まるか。楽天の安楽智大投手(25)がプロ8年目のシーズンに備え、驚異の「投げ込み」で調整を続けている。

 キャンプ初日からブルペンに入り100球以上を投げ込むと、その後も連日ブルペン入り。第1クール4日間だけで400球以上を投げ込むなど、意欲的な投球練習はとどまるところを知らない。

「投げすぎでは?」と本人に聞くと「いや、予定通りですよ」と笑み。

「12月、1月の自主トレでトレーニング、ランニング等は十分してきたので。キャンプ期間中は投げ込むこと、投げて覚えさすことを中心にやっていこうと思っていますから。不安はないですね」(安楽)

 救援転向2年目の昨季は58試合に登板。プロ初セーブを挙げるなどして、チームの勝利の方程式の一角を担う働きぶりを見せた。だが、安楽と言えば済美高時代に甲子園を沸かせ、2014年ドラフト1位で楽天入りした逸材。なぜ潜在能力の開花までに7年を要したのか。本人はこの「遠回り」こそが現在の自身の糧になっているという。

「けがをしながらいろんなことに取り組んで。その中で知識も増えて、それが少しずつ出てきているのかな、というのがある。何か特別なことがあってつかんだ、というのではないのです。あとは石井監督や投手コーチが、(救援の)経験がない自分を積極的に勝ちの展開で使ってくれたのも大きかったと思います。やってきたことが明日、明後日に出るわけじゃない。2年後、3年後に結果として現れてくる。今一軍で投げられるようになって、改めてそう感じています」

 遅咲きの鉄腕は、今季もセットアッパーとして救援陣の中心を任される予定。元々先発として将来を嘱望されていたが「もう一度先発で見たい、と言ってくださる方は今も多いのですが、その場所は今の僕が選べるわけではない。それに中継ぎをやって、中継ぎの仕事の大変さとやりがいを感じる部分があったので。そういうのを考えても、まずは中継ぎで頑張っていこうと。その中で先発に呼ばれればまた(先発を)やればいい」と安楽。

 救援という適所で飛躍を遂げる豪腕にもはや迷いはない。