最も近代的な都市といわれるシンガポールに類人猿UMAが存在するといったら驚くだろうか。その名は「ブキティマモンキーマン(Bukit Timah Monkey Man)」。略してBTMMもしくはBTMとも呼ばれる猿人である。

 体長は1メートルから2メートルであり、全身が毛に覆われており2足歩行が可能であろう。体色は灰色であり、俊敏に動くといわれているのだ。

「あのコンクリートジャングルのシンガポールのどこに類人猿に出没するのか?」と不思議に思うが、シンガポールには有数の森林地帯のブキティマ地域があり、そこに潜んでいるとされている。そのエリアは都心からちょうど12キロに位置し、1・6平方キロメートルであり、亜熱帯雨林のジャングルで多くの動植物が生息している。

 このUMAは現代のフォークロア系UMA「ニンゲン」や「くねくね」と同様のものと推測されるが、実は目撃例は古くからある。もともとはマレー半島に住むマレー族の民間伝承にも毛むくじゃらの猿人の伝説があるし、第二次世界大戦中、シンガポールに駐在していた日本兵の目撃情報もあった。

オラン・ペンデクの復讐 (1977年、現代教養文庫―香山滋傑作選<2>)
オラン・ペンデクの復讐 (1977年、現代教養文庫―香山滋傑作選<2>)

 記録に残る明らかな目撃事件は1805年に発生しており、最近では2007年の事件が新しい。07年に勃発した事件はシンガポールのタブロイドをにぎわした。その時、掲載された目撃情報を紹介しよう。

 48歳のタクシー運転手は夜中にブキティマロードにて人間の子供のようなものをひいた。その子供のようなものはボンネットに飛び乗り、負傷した腕を抱えてこちらをにらんだ。なんとその顔は猿そのものであり、驚く運転手をよそに素早く逃走してしまった。

 29歳の主婦は早朝171号線のバスに乗るためにバス停に向かっていた。霧の深い寒い朝であり、前方に人影が見えた。一瞬ホームレスがゴミ箱をあさっているのではないかと思ったが、接近した主婦に向かって、そいつは大声を上げ、森の方角に逃走した。その顔ははっきりと確認できなかったが、2足歩行で走り、全体的に灰色の毛で覆われていた。

 ブキティマの付近に住む65歳の老人は、子供のころから夜間はモンキーマンに出会うので森の奥に入るなと戒められたと証言している。また、以前、モンキーマンの足跡を見たことがあるが、強烈なにおいが印象的であったともコメントしている。

 この不可解な生物・ブキティマモンキーマンだが、正体に関してはマカク猿ではないかという説がある。カニ好きで有名なこの猿は、確かに容姿が似ており有力な候補だが、体長が38センチから55センチしかなく、ブキティマモンキーマンと体のサイズが違いすぎる。

 脳下垂体に異常のある巨大個体の猿ではないかということも考えられるが、もう一種類、チンパンジーやオラウータンサイズの未知の類人猿がブキティマに生息しているのではないだろうか。なお、付近のスマトラ島には「オラン・ペンデク」という類人猿系UMAがいるとされているが、関連があるのかもしれない。