都市伝説で世界中のUFOファンに知られる米ライト・パターソン空軍基地の近くに、中国系企業が進出を計画しているとして米議会が騒然となっている。上院議員は「中国共産党のペーパーカンパニーである可能性がある」として国家安全保障上の調査を要求した。米紙ニューヨーク・ポストが先日、報じた。

 バーニー・モレノ上院議員(共和党、オハイオ州)は、中国の太陽光発電メーカーがオハイオ州デイトン近郊にある米軍基地近くの施設を取得しようとしていることについて、「中国共産党が軍事・情報活動上の目的を推進するためのペーパーカンパニーである可能性がある」と主張し、国家安全保障上の審査を求めた。

 モレノ氏は1日付でスコット・ベッセント財務長官宛てに書簡を送り、「重大な懸念」を表明。6月22日にデイトン開発連合から情報提供を受けたこの取引について、財務省による調査を要請した。

 モレノ氏は書簡で「私の理解では、中国企業はオハイオ州ケタリング市ウッドマン・ドライブにある施設を賃借または購入する計画だ。この施設はライト・パターソン空軍基地から約21キロの距離にある。ライト・パターソン空軍基地は約3万8000人が勤務する極めて重要な軍事施設であり、米軍でも最重要級の戦略拠点の一つだ。航空宇宙研究や工学、情報活動の中核を担い、空軍研究所も置かれている」と説明した。

 その上で「そのような重要施設のすぐ近くに、われわれ最大級の敵対国の一つが進出しようとしている。中国共産党のペーパーカンパニーである可能性のある企業が、ライト・パターソン空軍基地をはじめとする重要な軍事施設や重要インフラの近くで土地や施設を取得することを許してはならない」と訴えた。

 ライト・パターソン空軍基地は、UFOファンの間では「1947年のロズウェル事件で回収されたUFOの残骸や宇宙人の遺体が保管されている」「ハンガー18(格納庫18)が存在する」などの都市伝説で有名だ。もっとも、米政府はこうした説を一度も認めていない。

 近年、中国は米国内で軍事基地や重要施設周辺の農地や不動産を買い進めており、米政府当局者や安全保障専門家の間では安全保障上の懸念が高まっている。

 ニューヨーク・ポスト紙は2024年、中国系企業が取得した土地の近くに少なくとも19か所の米軍基地が存在することを確認した。その中にはライト・パターソン空軍基地のほか、ノースカロライナ州フェイエットビルのフォート・リバティ(旧フォート・ブラッグ)、カリフォルニア州サンディエゴのキャンプ・ペンドルトン海兵隊基地、フロリダ州タンパのマクディル空軍基地などが含まれていた。