米国では国防総省が「UFOファイル」を続々と公開し、日本では超党派の「UFO議連」が活動するなど、UFO問題が単なるオカルトではなく、安全保障や情報公開の透明性にかかわる問題として真剣に議論される流れになっている。そんな中、欧州連合(EU)がUFOの監視・識別能力の強化に関心を示していたことが、欧州委員会の内部文書から明らかになった。欧州ニュース専門局「ユーロニュース」が先日、報じた。

 同メディアが入手した欧州委員会の防衛部門の文書によると、EUは少なくとも2023年からUFOを含む未確認異常現象(UAP)を認識していた。文書には「技術能力が向上するにつれて、われわれはUAPをよりよく見ることができ、よりよく識別できるようになっている。しかし、さらに向上させる必要がある」と記されていた。

 きっかけは、国際的にも天体観測の実績があるマレーシア人のアマチュア天文家親子だった。2人は撮影したUFOの正体を突き止めようと、米航空宇宙局(NASA)やマレーシア当局、カナダ国防省など各国の機関に問い合わせており、その一環で22年10月に欧州委員会にも接触した。

 撮影場所がマレーシアだったため、欧州委員会に直接調査する権限はなかった。しかしEU側は加盟27か国に対し、「地球周辺の宇宙環境にある物体を検知する能力を高める」ことを提案すると回答。その目的について「あなた方が目撃したUAPや、さまざまな宇宙利用を脅かす多数のスペースデブリを、より正確に識別するためでもある」と説明した。

 さらに「将来、あなた方が報告したようなすべての事例を解明できるとは言わないが、その一部は解明できるかもしれない」とした。

 実際、欧州のパイロットからは奇妙な目撃証言が出ている。オランダの航空会社に勤務するパイロット、ロブ・アッカーマンス氏は23年、中東からオランダへ向かう便で、パイロット2人と客室乗務員4人が約2時間にわたって謎の光を目撃したと証言した。

「最も奇妙だったのは、3つの光のうち1つが時折、ほかの光の周囲を動き回ったことだ。まるで追跡しているようで、空軍でいう『ドッグファイト』のようだった。その後、2つ、あるいは3つすべてが再び消えた」
 光はその後、「信じられない速度」で突然消えたという。アッカーマンス氏は目撃について「完全に説明不能だった」と振り返っている。

 こうした状況を受け、ドイツ選出の欧州議会議員ファビオ・デ・マージ氏は、航空機パイロットによるUFO目撃を統一して記録する専用カテゴリーの導入を要求している。

 デ・マージ氏は、EU側がこうした正体不明の空域侵入の起源について具体的な証拠を持っていないことに「空域や重要インフラに対する監視体制を考えれば、非常に驚くべきことだ」と指摘した。

 EUは現在、UFOへの対応は加盟各国の責任との立場を取っている。今後はUFO問題への対応をめぐる議論が活発化しそうだ。