今年の5月末、米国で奇妙な生物が発見・射殺されて話題になっている。
モンタナ州のある農場付近で、毛むくじゃらの生物の目撃証言が相次いだ。土地所有者は地元のレンジャーに調査を依頼。レンジャーたちが周辺を警戒していたところ、謎の毛むくじゃらの生物が家畜に襲いかかろうとしているのを目撃。その場で射殺したのだという。
レンジャーたちが仕留めた生物は異様なものだった。大きな牙、茶色の毛皮を持ち、イヌとするには非常に大きなもので、これまで確認されたことのない特徴を持つ生物だったのだ。
この生物はモンタナ・フィッシュ野生動物公園の研究所に持ち込まれDNA検査が行われる予定だが、今のところ正体は分かっていないという。
今回の生物について、ある生物の可能性が考えられるとしている。それが現在北米大陸で勢力を広げているというオオカミとコヨーテのハイブリッド生物「コイウルフ」だ。
近縁の生物の中には混血が進んだ結果、両方の特徴を備えた新たな個体が誕生し、場合によっては種として確立するケースもある。有名なところではウマとロバの混血である「ラバ」などだろう。以前この連載でも取り上げた「ハブラ」「スーパーハブ」など、別種の毒ヘビが混血に成功してしまい、猛毒を持つようになってしまったケースもある。
コイウルフは犬8%、オオカミ8%、コヨーテ84%の遺伝子構成で、北米大陸のカナダに生息していたハイイロオオカミが生息域を減らす中、広く生息しているコヨーテの血を取り入れることで子孫をもうけることに成功したものだとされている。
コヨーテよりも大型で大きなアゴを持ち、声もオオカミとコヨーテの中間のような鳴き声だという。恐るべきはその環境適応能力で、果物や野菜などの残飯も食べることができ、これまでのオオカミのテリトリーを越えて都市部にまで生息域を広げている。
大型の食肉生物に該当するが、夜行性で今のところは人間に危害を加えたりはしていないらしい。というのもオオカミもコヨーテも警戒心が強い生き物で、人間を自分より脅威的な存在であると認識しているため、被害は出てきていないのだという。しかし、このまま都市部への進出が広がっていくと、場合によってはペットや子供が襲われる可能性も出てきてしまうとされているので、注意が必要だろう。
北米大陸で新たな種として根付くようになったコイウルフ。果たして共存は可能なのだろうか。












