日本サッカー協会の田嶋幸三会長(64)が、カタールW杯アジア最終予選の次戦となる3月24日のオーストラリア戦(アウェー、場所未定)について、動画配信サービス「DAZN」の独占配信ではなく地上波放送を目指す方針を示した。

 2日に取材に応じた田嶋会長は「今回(ホームの)2試合を地上波(テレビ朝日)で放映してくれて、地上波の力はまだまだ今はあると、ひしひしと感じている。できるだけ多くの方に見てもらえるよう、最後まで努力したい」と明かした。

 最終予選のアウェー戦はDAZNの独占配信だが、オーストラリア戦は勝てば7大会連続のW杯出場が決まる大一番。田嶋会長は「多くのみなさんに見てもらうことが(代表の)後押しにつながるし、ひいてはサッカー人口(の増加)にもつながる」。懸念される代表人気の復活のためにも、有料ではなく誰もが視聴できる環境が必要と認識している。

 協会の言い分はもっともだが、突然の表明はDAZNとの間に摩擦を生む危険性もある。大手広告代理店関係者は「最終予選の配信はキラーコンテンツになっているし、地上波でもやるとなったら解約にもつながりかねない。〝はい、そうですか〟と聞くわけにはいかないだろう」と指摘する。

 DAZNは高額で最終予選の放映権を獲得したかいあって、2021年の「ライブコンテンツ視聴ランキング」では同社の独占となる敵地での日本代表戦が1~4位までを占めた。W杯出場が決まる可能性のあるオーストラリア戦は大注目の一戦だけに「独占」かどうかは死活問題。田嶋会長の〝方針転換〟はDAZN側との間で対立を生じかねないが…。両者の交渉の行方に注目が集まる。