【冬季五輪の主役たち(最終回)】4個の金メダルを含む史上最多13個のメダルを獲得した2018年平昌五輪で大きな話題になったのは、カーリング女子日本代表のLS北見(現ロコ・ソラーレ)の快進撃だ。

 カーリング界初の銅メダル獲得を目指したLS北見は、1次リーグ初戦の米国、2戦目のデンマークに勝利を収め、好調な滑り出しを見せた。さらに「氷上のチェス」と呼ばれる戦いで疲労した身体を回復させるために、第5エンド(E)終わりのハーフタイムで選手たちがフルーツや焼き菓子などを食する「もぐもぐタイム」や会話の際に用いた北海道なまりの「そだねー」が一躍脚光を浴び、日に日に注目度が増していった。

 ただ、1次リーグの後半戦は苦戦を強いられた。第8戦の英国、第9戦のスイス戦に連敗。5勝4敗の4位で準決勝進出を果たしたものの、サードの吉田知那美は「私のショットが決まっていれば」と大粒の涙を流した。ファイナル進出をかけて臨んだ準決勝の韓国戦。第10Eに1点をスチールして同点に追いつくも、延長の第11E、メガネ先輩らの奮闘で力尽きた。決勝進出こそ逃したが、選手たちはメダルを諦めていなかった。

 翌日に行われた英国との3位決定戦は、3―3の第9Eに1点を勝ち越すと、最終第10Eは英国の最終投がミスショットとなり、日本のストーンがナンバーワンとなった。カーリング界の歴史を塗り替える快挙。スキップの藤沢五月は「ちょっと信じられなかったけど、本当に勝ったんだという気持ち」と感極まった。

 帰国後はカー娘フィーバーに沸いた。多くのテレビ番組に出演し、試合には大勢のファンが訪れた。18年末には「そだねー」が流行語大賞を受賞。今でもカーリング関係者から「あの銅メダルでカーリング人気が高まった」と感謝の声が聞かれるほどの反響ぶりだった。

 あの日から4年。当時の主将で、現在は代表理事を務める本橋麻里氏が「メダリストになると本当に知らない人も自分のことを知っている。選手たちが気を休める瞬間がないなというのが一番心配なところ」と以前に語っていたように、選手たちは重圧に押しつぶされそうになったこともある。それでも、土壇場で何度も〝らしさ〟を発揮。間近に迫った北京五輪の切符を手にした。2大会連続のメダルへ「4年前と違って私たちの実力も上がっている」。藤沢率いるカー娘たちが再び歓喜の輪をつくり上げる。