いじめ問題が少しでも減っていくことになるのか。埼玉県川口市立中学の元生徒の男性(19)がいじめを受けた際に学校の対応が不適切だったとして市を訴えていた裁判は、市に賠償を命じた地裁判決が今月、確定した。この判決で大きいのはいじめ防止対策推進法に違反していると指摘した点だ。
男性は2015年に中学に入学。サッカー部に所属したものの、部内でSNSを使った嫌がらせや、顧問からの体罰を受け、不登校になっていた。市が設置した第三者委員会はいじめと認定。さいたま地裁は昨年12月、学校がいじめを重大事態として扱わなかったことなどに違法性を認め、市に55万円の支払いを命じる判決を出していた。
子供がいじめを受け、被害届を出すなどの経験をした男性は「これまでいじめ防止対策推進法で違法と認定されたことはなかった。今後のいじめ裁判の判例・指針とすべきだ」と評価した。
同法はいじめについて「他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義していた。
今回の裁判では川口市側は同法について「看過しがたい欠陥を持つ」と主張。「いじめの定義が広すぎるとの主張でした。しかし、この法律において『苦痛を感じたらいじめ』という点はキモです。川口市はいじめを軽く考えていたと言わざるを得ません」(前出の男性)
とはいえ同法に足りないところがないわけではない。特に指摘されることが多いのは学校や教員への罰則がないことだ。「地方公務員法違反でも処分はできるでしょうが、いじめ防止法に管理する立場の人間を処分する罰則を入れるのが分かりやすい。過去の議論では教育関係者から罰則導入に『余計隠してしまう』と猛反対があったのを聞いています」(同)
今年はいじめ事件がなくなるといいが…。












