6日(日本時間7日)に行われたドイツ1部リーグ第24節で〝日本人ボランチ対決〟が実現した。Eフランクフルトがホームにシュツットガルトを迎えた一戦は1―1の引き分けに終わったが、EフランクフルトMF長谷部誠(37)とシュツットガルトMF遠藤航(28)はお互いに持ち味を存分に発揮した。なお、EフランクフルトMF鎌田大地(24)は腰痛のためベンチ外だった。

 日本代表のキャプテンとして2010年南アフリカ、14年ブラジル、18年ロシアとW杯3大会連続で出場した長谷部と、現在の森保ジャパンで中盤のダイナモとして躍動する遠藤。とはいえ、この2人を〝新旧対決〟と称するのはあまりにも失礼な表現だろう。

 遠藤はドイツ1部初挑戦とは思えない堂々としたプレーぶりで、2月27日のシャルケ戦では初ゴールを含む2得点2アシストの活躍でこの節のMVPにも選出された。成長曲線は目を見張るものがあり、ドイツメディアも「年齢がもっと若かったら、市場価値はとんでもない金額になっていたはず」と評価するほどで、とにかく勢いがある。
 だが、今季リーグで2番目の年長選手となった長谷部もまだ衰えた様子は見られない。本職のボランチでのパフォーマンスもさることながら、最終ラインに下がってリベロとして統率する守備は安定している。今季ここまで4位で、来季の欧州チャンピオンズリーグ出場圏内につけるチームの好調は、長谷部によってもたらされていると言ってもいい。

 そんな2人は直接対決でそれぞれ「自分のプレー」を貫いた。長谷部は的確なカバーリングで最終ラインやサイドで見方をフォロー。常に数的優利を作り出す動きでシュツットガルトのカウンターを未然に防いだ。周囲へのポジショニングの指示も明確で、チームの大黒柱としての存在感を示した。

 一方の遠藤は178センチと小柄ながらもEフランクフルトのエースFWルカ・ヨビッチと互角の当たりを披露。攻撃面でも左右の大きなサイドチェンジなどでパスを散らし、堅守の相手を揺さぶった。長谷部とマッチアップするシーンはほとんどなかったとはいえ、2人がチームの中心にいることは明らかだった。

 日本人選手がドイツでプレーするようになって久しいが、ドイツのファンやメディアからの評価は高水準を保っている。その根本にあるのが「献身性」「プレーの正確さ」、そして「マルチなポジションをこなせる技術と精神力」。これこそが日本サッカーを支え、躍進に導いてきたキーワードだが、それはドイツでも遺憾なく発揮され、ドイツで戦う各国選手の模範となりつつある。長谷部と遠藤が見せた「日本人ボランチの矜持」は、もはやワールドクラスと呼べるものなのかもしれない。