暮れの恒例行事「今年の漢字」を発表したり、検定ブームの先駆けとなった「漢字検定」を作り上げた「日本漢字能力検定協会」の創業者、大久保浩被告が6日、収監となった。

 漢検といえば、2009年に創業者の大久保昇元理事長と浩元副理事長の親子が、約2億6000万円の損害を同協会に与えたとして、背任容疑で逮捕。その後、法廷闘争が続いていた。昨年末、最高裁が大久保親子の上告を棄却する決定をし、2人を背任罪で懲役2年6月とした一、二審判決が確定した。昇被告はアルツハイマーの症状が進行しているという。浩被告は収監前日となる5日、本紙に心情を語った。

「この収監を迎える前夜において、現在置かれている私の状況について、私の不徳の致すところであると省みております。一方、漢検は“被害者”であることを主張されておりますが、法人に被害があるということは、私の経営によって『損失が発生した』ということを一般的には表すのではないでしょうか」

 浩被告が同協会を財団法人化した1992年6月から、退任する2009年3月末までの間、漢検の受検者は増えるばかり。年間8万人から最盛期には289万人まで急増。決算についても毎年黒字を計上していたという。

 しかし浩被告退任後、受検者は減少し、毎年数億円の赤字決算をしている。

「私の事件は、当初から“国策捜査”であると言われており、これまでの幾多の国策事件と同様に『どんなに頑張っても有罪は間違いない』と依頼した元検察官の主任弁護士すら明言していたぐらいです。刑事事件と同時期に提訴された民事事件は、6年が経過した現在もなお、争点整理がなされておらず、裁判が開廷しておりません。先月、検察から呼び出された際に『この国は法治国家である』と強調されましたが、果たしていかがなものでしょうか。しかし私のような小市民がこの状況を憂いてみても、国家権力に抗うことは不可能だと感じています」(浩被告)。

 現在、複数の民事裁判において、同協会の現理事と、現理事が委託契約を締結した人物が、浩被告と漢検の和解に乗じて手数料を要求したことが事実認定されている。また市民団体がその理事などを集団告発している。