2年連続でワールドシリーズ優勝を果たしたドジャースが、2000年までヤンキースが果たして以来となる3連覇に向けて静かに準備を進めている。

 全30球団の球団幹部や代理人が集結するGM会議は13日(日本時間14日)に終了。移籍交渉が本格化するウインターミーティングは12月7日(同8日)から始まるが、さまざまな思惑が交錯するストーブリーグが熱を帯びてきている。

 FA市場の目玉の一人となるのが、カイル・タッカー外野手(28)だ。今季はカブスでプレーし、MLB通算8シーズンで打率2割7分3厘、147本塁打、490打点。22年にゴールドグラブ賞、23年には打点王に輝くだけでなく来年1月で29歳という若さも魅力となっている。

 今季のドジャースでは新戦力のコンフォートが期待に及ばない結果に終わり、外野もウイークポイントの一つ。そのため、タッカー獲得の有力候補に挙げられているが、球団側の〝熱量〟は微妙のようだ。

 米全国紙「USA TODAY」の敏腕記者、ボブ・ナイチンゲール氏は「ドジャースは8700万ドル(約134億円)の契約が終了するため、カイル・タッカー争奪戦では他球団をけん制するだろうが、最高額を提示する可能性は低い」と報じている。当然、大物選手を獲得するには年数や金額など好条件を並べた方が契約が成立しやすくなる。しかし、争奪戦となっても豊富な資金を無尽蔵に投入することは考えにくいという。

 ドジャースといえば補強に積極的で知られる。専門メディア「ドジャースウェイ」も「ドジャースは常にトップ選手を狙う。実際に必要ではなくてもだ。大谷翔平を獲得し、昨オフはフアン・ソトにもアプローチした」としている。だが、タッカーに関してはナイチンゲール氏の見立てに同調する形で「タッカーへの関心は大谷よりもソトの領域、つまり『マスト』ではなく『いればなお良し』の部類」と報じた。

 2年前に大争奪戦となった大谷とは、後払いを含めて10年総額7億ドル(約1014億円=当時)の巨額契約を締結。ところが、昨オフのソト争奪戦ではメッツが提示した15年総額7億6500万ドル(約1147億円=同)には及ばない条件を示して撤退した。大谷を獲得した時のような強硬姿勢とは異なり、タッカー獲りはある程度の上限を設けて参戦する〝ソト方式〟になる見込みという。

 タッカーを巡ってはスポーツ専門局「ESPN」記者のジェフ・パッサン氏も「ドジャースに10年以上の契約を結ぶ意思はない」と伝えていた。前出のナイチンゲール氏は「(今オフのドジャースは)ブルペン強化に注力する方針」とみており、ディアス(メッツFA)、ウィリアムズ(ヤンキースFA)、さらにはフェアバンクス(レイズFA)の獲得にドジャースが〝本気〟を見せるとの見解を示している。