男子テニスの世界ランキング1位ノバク・ジョコビッチ(34=セルビア)がオーストラリア以外の国でも入国拒否される可能性があると、地元メディア「AGE」が伝えている。

 全豪オープン(17日開幕、メルボルン)を目前に控える中、査証(ビザ)を取り消されたジョコビッチは、強制送還を回避するため、裁判所に異議申し立てし、亡命希望者が滞在する施設に拘留された。16日にも審理が行われるが、同メディアによると、ジョコビッチの入国を認めない国が多くなるという。

「ジョコビッチの問題は単純な質問に要約できるでしょう。『ワクチン未接種の外国人が新型コロナウイルスに感染したからといって、その国に入国できるか』と。オーストラリアのようにワクチン接種した外国人だけが入国できると主張するのは不合理ではない」とし、他国もスター選手の入国を拒否したオーストラリアと同じ判断を下すとの見方を示した。

 さらに同紙は「例えば、昨年11月以降、飛行機で米国に到着するすべての外国人は予防接種の証明書を提示する必要がある」と指摘。男子ツアーは全豪オープンが終了した2月以降、米国でも多くの大会を開催するが、ワクチン接種を固辞しているジョコビッチが現地入りし、プレーするのは難しいというわけだ。

 今回の騒動は世界中に大きな波紋を広げているが、どんな裁定が下されたとしても、今後ジョコビッチにはイバラの道が待ち受けているようだ。