大坂なおみ(23=日清食品)の棄権表明で、注目が集まるテニスの全仏オープン(パリ)で、記者会見を巡る〝珍騒動〟が起きた。

 主人公は男子世界ランク6位のアレクサンダー・ズベレフ(24=ドイツ)。1回戦でコイントスへの毎度の遅刻を指摘された審判に対し「毎試合、記者会見に出ないことで罰金を科されることに、なおみが何て言ったか知っている? これから毎試合、僕が遅刻したら罰金取っていいですよ」とかました選手だ。

 この試合後の記者会見(オンライン)で、ジョナサン・ピンフィールド記者がスーパーマーケットの中から質問。「今、スーパーの中なんだ。走ったんだけど(会見開始の)遅刻してごめんなさい。次の試合までどのように調整しますか?」と質問した。ズベレフは「わかりますよ~」と爆笑。「こちらはバブルでスーパーにもいけないので、テニスに集中して…」と回答した。

 両者は顔見知りのようで、同記者がSNSで明かすところによれば「彼が遅刻したので冗談のつもりだった」。しかしメディア問題でピリピリの全仏側はこれを問題視。同記者の取材パスをはく奪してしまった。

 ズベレフは2回戦勝利後の記者会見でこの顛末を聞かされ、主催者側に撤回を要望。「彼はとてもいい人だ。私は彼が取材パスを取り戻すことを願っているよ。私が理由になりたくない。彼は冗談としてやったと思う。私も時々、間違った方法で受け取られるジョークもするし」とかばった。ズベレフのアシストもあり、同記者は無事にパスを取り戻すことができたという。

 試合後の記者会見義務について世界中の関心事となっている全仏テニス。ズベレフのナイス対応も注目を集めている。