【ニューヨーク24日(日本時間25日)発】女子テニスで世界ランキング10位の大坂なおみ(22=日清食品)が男女共催大会「ウエスタン&サザン・オープン」の2回戦で世界26位のカロリナ・ムホバ(24=チェコ)に6―7(5―7)、6―4、6―2の逆転で勝利し、3回戦に進んだ。新型コロナウイルス禍のツアー中断を経て、半年ぶりの実戦を白星で飾った。

 無観客で開催されている今大会は全米オープン(31日開幕)と同じ会場で行われる前哨戦。2018年に4大大会を初制覇した思い出の地で、大坂は苦戦を強いられながらも勝利をつかんだ。

 第1セットは6―7(5―7)とタイブレークの末に落としてしまったが、第2セットでは粘って奪い、冷静さを取り戻したファイナルセットは力でねじ伏せた。この日はネットに引っ掛けるミスショットが目立ったものの、要所で強烈なウイナーを炸裂させ、苦しい場面でサービスエースを決めるなど随所に“大坂らしさ”が光った。

 2時間33分の激闘を制した大坂は3回戦に進出。今大会は女子トップ10のうち6人がコロナ禍を回避して欠場し、さらに第1シードの世界3位カロリナ・プリスコバ(28=チェコ)、第2シードの世界4位ソフィア・ケニン(21=米国)がともに初戦となる2回戦敗退と波乱。第4シードの大坂は実力的にも今大会の優勝に最も近いといっても過言ではない。

 そんな中で迎える3回戦では世界25位ダヤナ・ヤストレムスカ(20=ウクライナ)と対戦するが、そのコーチを務めるのは、2年前に大坂を世界1位へ導いたサーシャ・バイン氏(35)だ。精神的に弱かった大坂を支え続けるなど、メンタルを知り尽くしているバイン氏が相手陣営で目を光らせるとなれば、それだけで大坂には“脅威”に映るだろう。

 昨年2月に突如、契約解除となってから対戦相手のコーチとして対峙するのは初めて。2年前、一緒に歓喜した思い出の場所で成長した姿を見せられるか、それとも…。その一挙手一投足に注目したい。