【全米オープン】錦織ショックだけじゃない!トッププレーヤー離れの一因は驚がくの〝コロナ同意書〟

2020年08月18日 06時16分

全米オープンを襲ったのは錦織ショックだけではなかった(ロイター)

 テニス界が新型コロナウイルス禍で本格的な再始動に向かう中、日本の男子エース錦織圭(30=日清食品)がコロナ陽性を公表し衝撃を与えた。約1年ぶりの復帰目前で足をすくわれ、4大大会・全米オープン(31日開幕、ニューヨーク)の出場がピンチに。本人はもちろん、開催を強行する大会主催者にとっても痛恨の一撃となった。〝錦織ショック〟の一方で同大会ではすでに多くのトップ選手が欠場を表明したが、主催者と選手が交わす同意書の中に驚がくの一文があり、波紋を呼んでいる。

 テニス界は男女ツアーとも3月中旬から約5か月の中断。女子はひと足先にパレルモ女子オープン(イタリア)で3日に再スタートを切ったが、男子は前哨戦の「ウエスタン&サザン・オープン」(22日開幕)を皮切りに、全米オープン、そして全仏オープン(9月27日開幕、パリ)と華々しく再開するはずだった。

 その直前に「錦織コロナ陽性」という衝撃のニュース。前哨戦と全米オープンの両方に出場予定だった日本のエースがコロナ陽性になった事実は、大会主催者を含めた世界のテニス関係者に衝撃を与えることになった。

 さらに選手間ではもう一つの波紋も広がっている。すでに全米オープンではトッププレーヤーが続々と欠場を発表。男子では昨年覇者のラファエル・ナダル(34=スペイン)、女子では世界ランキング1位のアシュリー・バーティ(24=オーストラリア)、同2位のシモナ・ハレプ(28=ルーマニア)、同8位のベリンダ・ベンチッチ(23=スイス)らトップ10以内の強豪がいずれもコロナ禍で回避。もはや誰もが大会で上位進出を狙える状況となっている。

 この〝トッププレーヤー離れ〟の一因とささやかれるのが、全米オープン主催の全米テニス協会(USTA)が出場選手に提出を求めている同意書だ。その内容は実に衝撃的で「私はあらゆる病気や死のリスクの全責任を負います」「この免責事項について無期限に有効とすることに同意します」との文言。分かりやすく言えば「出場してコロナに感染して死んでも自分の責任」という意味だ。

 この同意書はオランダのウィスリー・クールホフ(31)がツイッターで公表し、関係者によって拡散。契約社会の米国とはいえ、あまりに一方的な内容に反発する選手も多いという。実際に文面を見ると、複数箇所に新型コロナを意味する「COVID―19」の文字が書かれ、「death」(死)の単語もハッキリ。トップ不在の中で一獲千金を狙う若手選手ならいざ知らず、すでに安定した地位を手にしているプレーヤーがキャンセルするのも無理はない。

 関係者からは米国がここまで強行開催に踏み切るのは、テニス大国としてのメンツがあるとの指摘もある。ただ、今回の〝錦織ショック〟によって、同意書への不安と恐怖が増大した選手もいるのではないか。まさに生きるか、死ぬか。バクチのような大会がもうすぐ幕を開ける。