先輩の壁はまだまだ厚いようだ。飛び込み日本選手権初日(5日、日環アリーナ栃木)、女子3メートル板飛び込み決勝が行われ、金戸凜(19=セントラルスポーツ)は304・40点で2位。347・35点で優勝した三上紗也可(日体大)に敗れ、2連覇を逃した。

 シンクロ板飛び込みでペアを組む三上の背中は遠かった。昨年は三上のミスもあり頂点に立ったものの、この日は三上が安定した演技を披露。「個人は2番という結果であったけど、正直自分的に内容が悔しい。予選より決勝の方が点数を落としたのもあるし、ずっと課題である練習通りの演技をすることができなかった」と悔しさをにじませた。

 憧れの先輩の技を盗んできた。昨年11月から三上とペアを組む上で「私が全部変えるというのは決めていた。私の演技が崩れるとかじゃなくて、私がもっと上にいけると思った」と必死に食らいつき、助走を高く飛ぶスタイルに変更。「技術面もよくなったし、いいとこ尽くしだった」と手応えを口にしていた一方で、三上に40点以上の差をつけられた。

「紗也可ちゃんとの点差がすごい開いていた。これが差だと思った。(テスト等で)学校に行っていた分、練習量やトレーニングの量が減っていたけど、夏休みに入ったので挽回したい」とリベンジを誓った。

 シンクロ板飛び込みでは、323・40点をマークして優勝を果たした。銀メダルに輝いた世界選手権を約20点上回り「演技はすごいいいものが出た」と充実の表情。三上との相性のよさを見せたが、個人戦で慣れ合うつもりはない。