【大相撲初場所】白鵬途中休場 角界で心配される東京五輪ロス

2020年01月16日 13時00分

3日目に敗れた際、白鵬は足を気にしていた

 大相撲初場所(東京・両国国技館)で途中休場した横綱白鵬(34=宮城野)に「2020年問題」が浮上だ。かねて東京五輪が開催されるまでは現役を続けることを公言。その目標が近づくと、今度は「優勝50回」など五輪後を見据えた新たな目標を打ち出してきた。大横綱は本当に“五輪ロス”に陥ることなく土俵に立てるのか。角界内でも大きな関心事になっている。

 今場所の白鵬は白星スタートを切ったものの、その後は2日連続で金星を配給。4日目(15日)に日本相撲協会に「腰部挫傷、右踵部裂傷蜂窩織(ほうかしき)炎、今後約2週間の加療を要する見込み」との診断書を提出して途中休場した。師匠の宮城野親方(62=元幕内竹葉山)によると、2日目(13日)の幕内遠藤(29=追手風)との取組で腰を負傷。場所前に痛めた右足の傷から菌が入って蜂窩織炎になり、発熱の症状もあるという。

 宮城野親方は「ここ何年かは1月場所で優勝していなかったから、本人は優勝したい気持ちが強かった。(白鵬は)『残念だ』と言っていた」と横綱の無念を代弁した。昨年は年6場所のうち皆勤は3場所だけ。今年も最初の場所で休場となり「年も取ってきているし、古傷もある。(状態が)いい場合もあれば、悪い場合もある。うまくケガと付き合っていくしかない」と出場を続けることの難しさを指摘した。

 かねて白鵬は東京五輪開催までの現役続行を公言してきた。その目標が現実味を帯びてくると、昨年11月場所で43回目の優勝を達成した直後に「優勝50回」という壮大な新目標を設定。「五輪が終わったら、目標を失うことが目に見えている。達成できるかできないかは別にして、大台50回があればモチベーションを持って五輪後もやっていける」と熱弁を振るった。

 それだけではない。年明けには十両豊昇龍(20=立浪)や幕下納谷(20=大嶽)ら現在20歳前後の若手力士が成長することを念頭に「1、2回の対戦で終わるのではなく5、6回対戦して終わる」と来年以降も現役を続ける前提で話している。今場所直前には今年の目標に「35歳で年間最多勝」をブチ上げた。そのいずれもが、簡単には達成できないものばかりだ。

 角界関係者も「いったい、いつまで現役を続けるつもりなのか」と大横綱の“真意”を測りかねている。今の白鵬の姿は、あえて高いノルマを自らに課すことによって必死に気力を奮い立たせようとしているようにも映る。白鵬は先場所で優勝したばかり。いくら周囲が「世代交代」や「限界説」を唱えようとも、すぐに進退問題が浮上する状況ではない。

 今後の進退を決めるのは、あくまでも白鵬自身だ。その大横綱は五輪後を真剣に見据えているのか、それとも…。今から動向に注目が集まる。