無欲が最大の武器? 米女子ツアー今季メジャー第2戦「全米女子オープン」(2日開幕、ノースカロライナ州・パインニードルズロッジ&GC=パー71)に日本勢は15人がエントリーしている中、小祝さくら(24=ニトリ)が〝大穴〟に指名された。

 今回は、昨年覇者の笹生優花(ICTSI)、同2位の畑岡奈紗(アビームコンサルティング)をはじめ、メジャーチャンピオンの渋野日向子(サントリー)、前週のマッチプレーで2位に入った古江彩佳(富士通)といった米ツアー組の優勝争いが期待される。国内からの参戦組では、今季10戦5勝で乗り込んだ西郷真央(島津製作所)が、注目選手だろう。

 そんな中、小祝は異例の臨戦過程。西郷、西村優菜(スターツ)、上田桃子(ZOZO)、鈴木愛(セールスフォース)の国内シード組は、前週の「リゾートトラストレディス」を欠場して海外メジャーに備える一方で、小祝だけは出場。しかも今季初勝利まで成し遂げた。調子のよさもプラス材料ではあるが、ある男子プロは、こう持論を展開した。

「みんないい成績を残したいし、勝ちたい大会だから、国内組なら前の週に出ないとか準備して大会に臨むけど、小祝さんは試合に出たし、いい意味でメジャーの重みを感じていないみたい。結果に対する欲もなさそうだけど、ゴルフはそういうところで、かえってうまくいく場合がある。本命とはいかないけど、大穴の期待はできると思う」

 例えば渋野が海外メジャー初挑戦だった2019年「AIG全英女子オープン」に勝ったときも、勝利に対する欲がないことが思い切りのよいプレーにつながって快挙につながった側面もある。小祝は、予選落ちだった20年大会以来の2度目の海外メジャー挑戦など渋野と状況は異なるとはいえ、大会に臨むスタンスは通じるものがある。

 また時差を伴う直前移動は負担になるが、前週まで国内ツアー142試合連続出場(歴代4位)してきた鉄人ぶりでカバー可能だろう。米国では無名の存在と言ってもいい小祝が、ビッグサプライズを起こせるか。