【フィギュアNHK杯】高橋大輔いよいよアイスダンス初陣! 渡辺心氏が挙げる〝要注目ポイント〟

2020年11月27日 06時15分

公式練習で演技を確認した村元哉中・高橋大輔組(代表撮影)

 今年からフィギュアスケートのアイスダンスに挑戦中の高橋大輔(34=関大KFSC)が、平昌五輪代表・村元哉中(27=同)との新コンビでグランプリ(GP)シリーズ最終戦、NHK杯(27~29日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)で公式戦デビューを果たす。唯一無二の独創的な表現力を誇る高橋は、新種目でどんな世界観を見せてくれるのか。アイスダンスの全日本選手権4連覇(2003~06年)、06年トリノ五輪代表の渡辺心氏(49)に本紙が注目ポイントを聞いた。


 アイスダンスではパートナーの村元が大先輩。高橋はまだ〝ルーキー〟だが、シングル実績は2010年バンクーバー五輪で日本男子初の銅メダル、同年の世界選手権と12年GPファイナルで優勝、全日本選手権5度制覇など文句のつけようがない。NHK杯では全種目を通じて最も注目を集める存在だ。

 その新カップルは今年2月から米国を拠点に練習を開始。すでに氷上で息の合った滑りを見せている。これまでの練習動画を入念にチェックした渡辺氏は「かなり滑り込んでいるようで、組み始めたころより揃っていますね。やっぱり高橋選手はスケーティングはうまいし、しっかりしている。ただ、一体感はまだかなと感じますね」と話した。

 揃ってはいるが、一体感はない――。これはどういうことか。渡辺氏は「揃いはスケーティングの足元を見れば確認できますが、一体感っていうのはリードする男性が力で体を押すのではなく、まるで念力や気のパワーでスーッと押していく感じ。空気と一緒に動くように見えるんです。これは短期間ではなかなかできません。練習を重ねて、素晴らしくなるのはこれからでしょう」と説明する。

 また、男性が女性を持ち上げる「リフト」にもチェックポイントがある。「体を上げるタイミングが揃うと、力を使わなくていいので疲れも減らせます。逆にズレると重く感じる。だから顔に余裕が見えた方がいいですね」。NHK杯本番では、リフト中の大ちゃんの表情にも注目したい。

 そして、最後のポイントは「高橋大輔」という圧倒的なブランド力だ。渡辺氏は「シングルよりダンスの方が〝印象〟で得点が変わる傾向があります。もちろん公平じゃないといけませんが、やっぱり人間なので感情に引っ張られる。同じ演技でも、見た目が良い方が点数が出ることもありますし(笑い)。高橋選手の知名度は絶対的に有利だと思います」と指摘する。

 その一方で「シビアに見なくてはいけない」との強い意思が働き、むしろ辛めの採点になる場合もあるという。つまり、大ちゃんのネームバリューが審判の深層心理を刺激し、何らかの形で得点に反映されるかもしれない。渡辺氏は「ジャッジがどういう判断するのか? とても興味深いですね」と楽しみにしている。

 大ちゃん伝説の第2章が幕を開ける。

 

 ☆わたなべ・のぞみ 1971年2月18日生まれ。東京・大田区出身。6歳でフィギュアスケートを始め、10歳から米国を拠点に練習する。15歳の時にシングルからアイスダンスに転向。木戸章之氏とのコンビで2003年から全日本選手権4連覇を達成。06年トリノ五輪は日本勢最高の15位。東京体育館で開催された07年の世界選手権(15位)を最後に引退。現在は新横浜スケートセンターでコーチとして活動中。