さすがの勝負強さだ。7月の世界選手権(米オレゴン州)の日本代表選考会を兼ねた1万メートルの日本選手権が7日、東京・国立競技場で行われ、女子は東京五輪7位入賞の広中璃梨佳(21=日本郵政グループ)が31分30秒34で2連覇を達成。3位に入った五島莉乃(24=資生堂)とともに世界選手権の代表に内定した。男子は相沢晃(24=旭化成)が27分42秒85で優勝した。

 きっちり上位に食い込んだ。すでに参加標準記録(31分25秒00)を突破していた広中は3位以内に入れば、代表の座に決まる一戦だったが、ヒザのケガや貧血の影響もあり、決して万全な状態とは言えなかった。

 それでも「確実に3位を狙いたい」と序盤から五島、萩谷楓(21=エディオン)と先頭集団を形成。終盤は萩谷との一騎打ちとなったものの、7600メートル通過時点でトレードマークの帽子を投げ捨てて、ギアチェンジ。「ここからは確実に(優勝を)決めたい。切り替えという感じでした」。伸びのあるラストスパートで萩谷との差を広げ、ガッツポーズでフィニッシュした。

 世界選手権では再び世界の猛者と相まみえる。「まずは決勝に残る。世界の強い選手ともまれながら走りたい」。見据えるは2年後のパリ五輪。世界のライバルたちを相手に、今の自分の実力を確かめる。