【箱根路を沸かせる主役たち(1)】第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で2連覇が期待される駒大・田沢廉(3年)は〝圧倒的な力〟で世間を驚かせる。
12月上旬に1万メートルで日本歴代2位となる27分23秒44をマークし、世界陸上(来年7月)の参加標準記録を突破。箱根駅伝の登録選手中、留学生を含めてもトップのタイムを誇るエースは「どの区間を任されても区間賞を目標に走りたい。ライバルはいないが、強いて言うなら(東京国際大の)ヴィンセントを意識して走りたい」と意気込む。
ここまで一歩ずつ階段を上り続ける田沢の原点は、地元・青森で培った〝反骨心〟にある。「中学、高校はそんなにいい成績を収められなかった。気持ちの弱さが昔はあった。中学校から上の方で走っていなかったのが今になってはいい経験だった。その悔しさがあったから今の自分がある」。高校時代は朝練習で雪上を走ったり、ポイント練習ではスケートリンクの外周を使用するなど、決して恵まれた環境下でもなくとも「できることをやろう」と地道に努力を重ね、大学進学後に花を咲かせた。
今季は大八木弘明監督の「人間的にも成長してほしい」との思いから、下級生ながら主将としてチームをけん引。「最初の方は主将として何をやっていいのか全く分からなかった。そういった中でいろんな問題が起きてキツかった」というが、卒業した先輩たちにアドバイスをもらいながら、自らの主将像を模索。5位に終わった出雲駅伝後には「一人ひとりが責任のある走りをして、自分が流れをつくる、変えるっていう走りをしてほしい」とチーム全体を鼓舞。選手らに「自分がやるんだ」と自覚を芽生えさせ、全日本大学駅伝でチームを2連覇に導いた。
心技体で成長を遂げた田沢を擁する駒大は、箱根駅伝でも優勝候補の本命。エースとして「どの区間で走るとしても日本人トップで走らないといけない立場」と力強く宣言。プレッシャーを力に変え、箱根路を田沢一色に染め上げる。












