米プロバスケットボールNBAで新型コロナウイルスのワクチン未接種問題がさらなる波紋を広げている。

 NBAではプレーヤーに積極的にワクチンの接種を進めているが、ブルックリン・ネッツのスター選手、カイリー・アービング(29)は接種を拒否。ネッツの本拠地があるニューヨーク市はワクチン未接種のプレーヤーの試合出場を禁止しワクチン接種を義務化していることもあって、チームは今シーズン開幕からアービングを欠場させている。

 アービングの姿勢をめぐっては全米で議論を呼んでいたが、米メディアの各種報道によれば、アービングの姿勢を支持するデモ隊が24日に、ホーネッツ戦が行われる直前にネッツの本拠地バークレイズ・センターを〝襲撃〟し、入り口から侵入を試みた。

 SNSなどで公開されている動画ではデモ隊は大声を上げて警備員と衝突したり、バリケートを乗り越えようとしたり、バリケードを叩きつけたり、と大混乱になった。米ニュースサイト「TMZスポーツ」は、このデモ隊はネッツがアービングを欠場させていることを「理不尽だと思っていて、ネッツの関係者に直接知らせようと、バークレイズ・センターの正面玄関を突入しようとしていた」と伝えた。
 
 騒ぎは短時間で収まり、最終的には警官や警備員により制圧されたというが、ワクチン未接種問題で〝過激化〟するデモ隊が現れたことは全米に衝撃を与えた。

 一方、アービング本人も「圧力に屈しているようには見えない。彼は自分の主張を明らかにして以来、ほとんど身を潜めている。つまり、ワクチン接種ではなく、ワクチン接種の義務化に反対しているのだ」(TMZスポーツ)。今後もワクチン未接種を貫く構えだけに、この問題の終着点は見えない状況だ。